○2010年06月20日(日)17:00
即席ルーのカレー
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昭和30年代から食べ続けているカレーの元です。日本人好みの即席ルーは本家本元のカレーを食べることなく馴染んでしまいました。繰り返して食べても食べ飽きない旨味は完成度が高いといえます。はるか彼方の記憶に鮮明に残っているのが,少ないルーでとろみを出すために小麦粉を水溶きして増量していたことです。 宿泊体験施設の野外炊事では定番になっているカレーです。30年ほど前に利用した施設の指導者から教えられた方法が印象に残っています。「具材を切る。」それだけの指示です。タマネギはみじん切り,ジャガイモは2cm角,ニンジンは1cmの厚さにいちょう切りなどと細かい指図はありません。 次は,「具材がつかる程度に水を入れる。」だけです。野菜や肉を炒めるという手順はなく,あくが浮いてきてもおかまいなしです。後はひたすら煮えるまで火を燃やし続けるのです。 最後に「野菜が煮えたらルーを入れる。」燃えている薪をひいて,おきの火だけでルーが溶けきったらできあがりというものでした。 料理の手順は意味のある方法だけが集約されています。手順をふまなかったらどうなるのか分かっていれば,かなめを押さえることができます。手引きどおりにしかできない人は,まだまだ学びが少ないのです。日本の海軍が艦船上で食べるためにあみだされたカレーのようですから,もともと単純明快な料理です。 | | |