○2009年12月13日(日)18:31
ハクサイの話
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| 朝礼の話でハクサイを取り上げました。調べていくと今のようなハクサイになるまでにたいへんな苦労を重ねていたことが分かりました。 以前,同僚の方で春までおいていたハクサイに花が咲き,試しに種を取って植えてみようと挑戦されたそうです。結果は期待とは裏腹に結球しない,葉が広がったハクサイになってしまったそうです。流通している種はF1ですからさらなる雑種になったわけです。日本のような狭い土地では、アブラナ科の植物は交雑しやすく,2代目を作ろうと種をまいても同じものができません。 おいしいハクサイの発端は日露戦争に従軍した兵隊が種を持ち帰ったことによるそうです。広大な畑がない日本の土地柄,純粋に受粉した種を取るには条件が不利です。風によって運ばれる花粉より,虫によって運ばれる花粉のほうが広範囲です。そこで,行き着いたところは離島での栽培だったそうです。 話はそれますが,イネのように自家受粉する植物はほとんど交雑しません。1枚の田んぼを2つに区切って黒米と白い餅米を植えたことがあります。混じることはありませんでした。 市販の種に頼らない、種から種へと受け継ぐ栽培方法は、遺伝子を維持する最も確実な方法です。外国に種を依存しているハクサイは、日本人好みの結球型になっています。いつまで続くか分からず、幻のハクサイとなることもあり得る話です。 | | |