○2010年04月22日(木)18:51
ソバ
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| 今年度初回の朝礼素材です。調べた結果,蕎という漢字は稜を意味しています。種子に3本の稜線があります。食物の中でタデの仲間はわずかです。実を食べるところから穀物になっていますが,穀物の大半はマメとイネの仲間です。 ソバアレルギーで死者が出たときは大きなニュースになりました。アレルギーの原因物質は実だけでなく茎にもあるということです。つまり,麺としてのソバを食べるときだけでなく,スプラウトで食べるときも要注意です。ソバでアレルギーが出た人は除外食物にするしか対応策はありません。 話は変わりますが、「ソバの茎はなぜ赤いの」というお話を読んだことがあります。最近はピンクの花が咲く品種も登場しています。短期間で収穫でき,肥料をあまり必要としないソバは非常時に役に立ったことが伺えます。ソバ粥という食べ方もありますが,ソバがき,麺としての粉食の歴史は古そうです。 実のところ,私は若かりしころソバはおいしい食べ物という実感がありませんでした。食感もまずく,味わいも乏しいという印象だったのです。頻繁ではなくとも長年食べ比べていくうちにおいしいソバ,風味のあるソバが分かるようになりました。振り返ってみれば,まずいソバに出会うことが多かったのかもしれません。 大人でも子どもでも味覚に対する好悪感は手の平を返すように変わりやすいものですから,先入観として固定すると厄介です。多くの場合,食べ物の好き嫌いは,最初の出会いで固まります。それを回避するのが料理ということになります。手順や方法だけではなく、調理することによって素材が生かせることを体験的に学ぶのです。嫌いなものでも、自ら調理すると食べるという事実を大切に総合的な学習を組み立てていただきたいと思います。 | | |