麹を作り始めて10年あまりになりましたが、未だに満足のいく麹ができていません。一番の原因は麹種が均一に蒸し米に付いていないことです。丁寧に揉み込む作業が欠かせないようです。8分搗きの米を使うようにしたのは、粘りで団子になりにくいという作業性を取ることにしたからです。
前日洗った8分搗きのヒカリ新世紀が原料です。蒸す前、1時間以上水切りをしてから蒸し器に蒸し布を敷いて張り込みます。強火で約45分ぐらい蒸せば、芯のない蒸し米になります。
蒸し米は、しゃもじで帆布に広げ、切るようにしてほぐしながら冷まします。麹菌が死なない程度の品温にします。
温度が下がったら茶こしのネットに麹種を入れて均一になるよう、2回に分けて振り込みます。いずれも素手でしっかり蒸し米に揉み込むといいのですが、これがうまくいっていないようです。
帆布の袋に入れて1日目は品温が36℃を維持できるまで加温します。ビニル袋に包んで乾燥してしまわないように細工しています。発酵熱が出始めると塊を捌いたり、ビニル袋を剥がしたりして3日目ぐらいにだいたい仕上がります。
麹種が少ししか付いていない蒸し米は発酵がなかなか進まず、糖化が始まって菌が入り込めなかったデンプンを変換し始めます。もう一つの問題点は発酵熱が44℃ぐらいになったとき、手入れをして品温を下げてやることがポイントのようです。
市販品に近づくのはいつのことやらと試行錯誤を毎年繰り返しています。7割ぐらいのできでも味噌や甘酒にはなっていますから、それだけに詰めが甘くなっています。
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