昨年移植した庭の片隅につぼみを覗かせています。昔は里山のあちこちでノブキを摘んで佃煮にしていましたが、自生しているところがすっかり減りました。原因は2つ。ミミズや沢ガニを食べたいイノシシが根こそぎ掘り返します。ワラビも似たようなことになっています。牛や山羊を飼わなくなって草刈りを頻繁にしなくなりました。背丈のある草にフキが追い抜かれると次第に絶滅していきます。
つぼみが膨らんでくると天ぷら、味噌汁の具、フキ味噌などが定番です。店で出せるほどたくさんは収穫できません。
おまかせランチの付け合わせに刺身コンニャクをシーズン限定で出していますが、その辛味に活躍しているのがこちらです。ロゼット状態の葉が目印でなくなると掘り出し、太めの根をすりおろしています。市販の粉わさびの原料になっているものです。北海道では大量に作付けされています。すりおろして1時間もたつと辛味は薄まり香りだけです。小型の辛味ダイコンも肉料理の付け合わせに活躍していますが、刺激は大きく違います。
これから期間限定で楽しみにしているのがわさびです。日本独自の辛味で、長年虜になっています。保存加工した粕漬けは関東地域の定番ですが、大好きになったのは葉わさびの醤油漬けです。
コショウや唐辛子のパンチの効いた辛味より、まったりと涙がにじんでくるわさびは健康志向になる和のスパイスです。
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