海田の番茶 その1

番茶の製法は各地様々です。煮番茶、蒸し番茶、生葉乾燥焙じ番茶、竹筒詰め込み番茶などなど。

海田では昔から煮番茶。煮汁を乾燥過程で葉にかけて美味しいところを凝縮させています。梅雨明け時期をねらって暑いときに熱くなる作業は昔ながら。水分補給に番茶を2リットルぐらい飲むのは普通です。

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茶畑から古い葉も込みで茶葉を刈り取ってきます。大鍋で煮ます。色が変わって、葉と軸が分かれたら煮上がりです。火を緩めて、熱いまま煮汁を切りながら大鍋から掻き出します。軸をよりとって、葉をシートに広げて乾燥です。ムラなく乾くように何回もひっくり返しながらの乾燥作業です。葉が9割方乾燥してきたらジョウロに煮汁を入れてかけます。乾いたらまたかけるの繰り返しです。

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昔はわらで作ったむしろが主役でした。通気性がよく下からも上からも乾いていきます。余分のわずかな煮汁はわらにしみこんでいきます。ブルーシートは表面だけですから、むしろ以上にこまめにひっくり返して手を入れます。

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よりとった軸は押し切りで2、3cmに刻み、同時進行で煮汁をかけます。

毎年刈り取って、肥料をきちんとやれば厚みのあるいい茶葉ができます。時期が常に遅くなって実がついてしまい余分の手間をかけています。消費量が減ったので隔年製造になり軸が伸びすぎるという欠点もあります。

30年前は今の倍の量を一人で刈り取り、一家総出で作っていました。それより前、私が小学生のころは出荷していた時期もあります。夏休みは番茶のてごでした。

— posted by fuku at 08:11 pm   commentComment [0]  pingTrackBack [0]

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