31 高学年の図工でアルミ缶を使って造形をしました。アルミ缶の胴回りははさみで簡単に切ることができる厚さです。底やふた部分はちょっと硬めで切りにくいでしょう。自由自在に切り抜いて、好きな形に造ります。紙のように接着したい子どもには、ボンド17のような合成ゴム系のものがむいています。油性ペンで彩色もできます。竹ひごや糸を使ってモビールに挑戦したときは、複雑な形にするとからまりやすく、大変でした。
 アルミ缶はよく洗って使います。切り刻んだいらない部分はごみとして捨てるのではなく、アルミ缶の回収に回します。

32 紙を整理するとき多くはファイルに入れていると思います。薄いものならホッチキスで綴じているのではないでしょうか。必要度の高い資料をまとめたり、子どもの学習成果をまとめたり、文集をつくったりするときに製本技術を身につけておくと便利です。最も大切なことは紙を正確に二つ折りすることです。機械は速いのですが、微調整をしたり、ご機嫌を伺ったりでなかなか手強いでしょう。基本的には手で折ることができるようにしてください。5〜10枚程度、紙をよくそろえて軽く折り目をつけ、端っこをていねいにそろえます。端をしっかり押さえて、折り目の方にすごき、最終的に折り目を強く押さえつけるとうまくいきます。ひも綴じ、ホッチキス綴じともに紙をきちんとそろえてずれないように綴じます。あとは、巻き表紙、製本テープ、本格的な装丁をほどこせば出来上がりです。紙を雑に折ると3面を裁断しなければならず、道具はいるし、手間はいるしで能率的ではありません。

33 最も手軽に栽培できるサツマイモ。収穫期はかなり幅が広いことはご存じでしょうか。8月中旬から霜が降りる寸前の10月下旬まで可能です。低学年担任の先生と話題にしたサツマイモ料理あれこれ。やきいも、ふかしいも、天ぷら、からあげ、大学いも、かりんとう、干しいも、スイートポテト、いもようかん、ちゃきんしぼり、おさつチップス、さつま汁、みそ汁。まだ、ご存じでしたらメールで教えてください。究極の細工はすり下ろして水にさらし、でんぷんを集めます。これを水どきしてフライパンで焼くとせんべいができます。もちろん、ジャガイモ、トウモロコシなどでんぷんが含まれているものなら可能です。

34 生活科や図画工作科で使える廃材は何でも利用してきた先生が多いいと思います。でも、ごみという視点から廃材利用を見直したい時期です。フィルムの入っていたプラスチックケースは小物を入れたり、製作材料にしたりして重宝がっていました。写真店に行けば、ごみ袋いっぱいの処分に困っていたケースを喜んで提供していただけました。しかし、使ったあとはやっぱりやっかいなごみのままでした。トレイ、プリンカップ、各種のカップ容器、イチゴなどが入っていたプラパック、クッション材などおもしろい材料なのですが、最終処分はやっぱりごみとしてやっかいなものです。おがくず、かんなくず、紙ケース、紙製のパック、紙のカップ容器、経木など循環型の廃材に目を向けて、環境問題に矛盾しない実践を提案します。

35 生活科や図画工作で接着をするときグルーガン・ホットメルトなどの電熱接着剤は大変重宝します。どんぐり、松ぼっくり、木の実、枝、種子など短時間で接着できます。やけどの心配はありますが、とんでもない扱いをしない限り、ちょっと熱かったというぐらいですみます。最近は透明なもの以外に色つきのものが教材やさんなどを通じて手に入れることができるようになりました。ガラスのコップや空き瓶にデザインすることもできるというふれこみです。

36 図工の造形遊びや、高学年のデザインなどに使える方法として、葉っぱにマヨネーズぐらいの硬さの絵の具をつけ、葉脈を転写する方法があります。絵の具の大きいチューブがあれば、スポンジローラーなどで色づけすると能率的にできます。紙は薄手の画用紙がちょうどいいでしょう。葉っぱの方から押さえるのではなく 、葉っぱの上に用紙を置いてこするようにします。また、葉っぱの裏側に絵の具をつけないと葉脈のおもしろさは写せませんので、注意してください。

37 水の働きでできた地層や火山灰の地層が見つかるところでは砂状になる部分のサンプルを採集して、地層の中の粒を観察してほしいと思います。茶さじ一杯程度のサンプルを試験管に入れ、水を3分の2ぐらい入れてよくふりまぜます。上澄みだけ流して、濁りがなくなるまで微塵を洗い流します。最終的に残った粒を顕微鏡で観察すると粒の形状がよく分かり、謎解きしやすい学習材料になります。顕微鏡の倍率は20〜50倍ぐらいが適当でしょう。もちろん、粒を手で触って、特徴をつかむことも欠かせません。

38 クラブ活動などで色つきろうそくは簡単に作ることができます。理科の実験材料、図工彫塑材料のカタログを調べるとパラフィンを手に入れることができます。これを溶かしてすきな型に流し込むだけです。クレヨンで色つけはできます。少量クレヨンを削って溶かしている容器に入れ、かき混ぜます。色の濃さを見て量は加減してください。溶かす容器は、色別に空き缶を用意するのが手軽でしょう。熱源はガスよりも電気コンロの方が安全です。ガスの場合は必ず湯を沸かして、そこへ溶かす容器をつけると安全です。芯は綿の凧糸が使えます。化学繊維の芯は避けます。

39 ウサギやニワトリなどを飼育している学校は多いでしょう。学校の畑やプランターで飼育動物の餌となる作物をぜひ育てましょう。サツマイモ、ニンジン、キャベツ、トウモロコシ、大豆、白菜、カボチャ、大根、ほうれん草、などの野菜類は教材として栽培するだけでなく、餌としても生かせます。根菜類は60日前後で収穫できますから、種まきをずらしていくと長期間使えます。市販の飼料に頼らざるを得ない都会地でもプランターでほとんど栽培できます。もちろん雑草の中にもウサギの大好物があります。葛やタンポポはアスファルトジャングル以外ならたいていあるでしょう。

40 身近な自然物を使った表示板は、出来合のものより愛着がわきます。海岸や川が近くにあれば流木が使えます。板状の石が多い地方では石そのものが素材になります。山があれば雑木、枯れ木の根、蔓、木の皮、実など素材の宝庫です。組み合わせて文字を作ったり、土台になる枠を作ったりしてアイデアが自由に造形物となるでしょう。電熱接着剤、木ねじ、針金などで固定します。プラスチックに書かれた教室の表示板、紙に描かれた掲示板の表題などちょっとした工夫で個性的なものができます。