1 福祉の授業ネタ。「秋竜山」だったと思います。4コマ漫画の前半を見せて、バス停に立っている目の見えない人に対して、あなただったらどうしますかという実践がありました。8年前に5年生の子どもに追試しました。方法を多様に考えるためには、よい素材でした。ただ、方法が相手のことを考えたものであるかどうかを検証することが大切で、方法がたくさん出ることや漫画の続きを描くことが目的ではありません。

 2 跳び箱の授業は、準備が大変です。もっと能率的にできないか、という問題を解決したのが、簡単なキャスター付きの台です。12mmの厚さのベニヤ板を跳び箱の最下段が乗る大きさに切ります。車輪の大きさが5〜6cmの自在キャスターをねじ止めして完成です。一人でも出し入れができ、台車から降ろしたり、乗せたりするのも跳び箱の片側を持ち上げ、台車をかまして乗せると簡単です。学校予算に原材料費というのがついていたら、材料の購入は公費で可能でしょう。体育器具製作会社のものより安価にできます。

 3 6年の理科で電磁石学習の終末段階で、電気製品を分解しました。「壊す」のではなく、組み立ての反対になる「分解」です。学校の廃棄備品の中に旧式のラジカセがありました。ドライバーとペンチとニッパーで楽しく分解できました。数と種類があればいいというものではありません。時間の確保と共同作業がうまくいくかどうかが鍵でしょう。ただし、「分解」の最大の目的は、コイルや電磁石を探し当てることでした。ついでに部品の分別もできました。「プラスチックが多いなあ。」と子どもの感想。

 4 6年理科の「水溶液の性質」でリトマス試験紙を使うときがあります。長期保存で状態がよくないと赤が薄くなったり青が白っぽくなったりしています。これはもう使えないと捨てていませんか。もったいない、捨てたらだめです。リトマス苔の抽出液を染み込ませたリトマス紙は元々一種類です。酸性にふれれば青が赤に、アルカリ性にふれればその逆になることは分かっていると思います。塩酸やアンモニアのガスにふれたリトマス紙は箱の中身通りになっていないだけです。薬品庫に塩酸、アンモニア水があれば完全に復活修正できます。どっちをどっちにふれさすかは自力解決してください。

 5 教室にトランプのカードがあるでしょうか。外で遊べないときの材料にするのではありません。算数の教材です。小学生から中学生まで使えます。9までのカードに限定するなら2種類で九九ゲームができます。たし算のフラッシュカードにも使えます。赤のカードと黒のカードで+−を指定すれば負の数のフラッシュカードにも使えます。算数以外でもくじ引きに使ってみるのもおもしろいと思います。

 6 星座学習をするとき、目から30cmの距離に置いて星の並びをクリヤーシートにコピーして子どもに渡します。教科書の中にも説明があります。でも、暗闇では黒い点は見えず、明かりをつければ星が見えずうまくいきません。車用品のコーナーなどで蓄光テープを手に入れてください。穴開けパンチで丸く切り抜いた部品を星のところに貼り付けます。使う前に懐中電灯でしばらく照らしておくとほんのり星の並びが見えます。ただし、見る方角、高度は事前に念入りにシュミレーションしておきたいものです。

 7 星座学習を夜間実地に指導するときは、口で説明したのではなかなか伝わりません。強力な懐中電灯が便利です。焦点が調節できる機種ならなおさらいいと思います。明るい光がサーチライトと同じように空中の塵などに当たって見せたい星をレーザーポインターのようにして示すことができます。電球がクリプトン球という種類は明るく、ハロゲン球ならもう少し明るくなります。電池の消耗が激しいのでおすすめではありません。

 8 太陽を直接見るとき遮光板を使いますが、身近な代用品があります。いらなくなったフロッピーディスクです。シャッター窓を開けて目の前に置けば1枚で手頃な明るさになります。持ち運びも簡単で一人ずつ渡す枚数をそろえるのも簡単にできるはずです。落としても割れませんから安全です。ちなみに大きな黒点が出ているときは、肉眼でもはっきりと見えます。11年周期のピークが今頃ですからチャンスは多いでしょう。

 9 縄跳びシーズンしか使えません。知っている人は少しずつ増えているようです。でも、まだ知らない人がいます。12mmの厚さのベニヤ板1枚と一辺10cm幅90cmの角材2本を用意します。ベニヤ板の短い辺の端っこに角材を大きな釘でしっかり打ち付けます。ねじ釘はゆがみに耐えないので、必ず釘で打ち付けることをおすすめします。これで二重跳びを練習するジャンピングボードが完成です。リズムを取ることと手首のスナップがコツですから、この道具に頼りすぎないようにしてください。

10 漢字練習をするとき「空書き」という方法を使います。ゆっくり画数を唱えながら中に指先で書く方法です。一斉指導で練習を習慣化し、慣れてきたら一人でできます。これとあわせて100点を取らないと終わらない10問漢字テストも長年やりました。10問の熟語を知らせ、家庭で自主的に学習する約束にします。反復練習は個人差がありますから、方法やノルマは与えません。要は子どもの自信と責任感を問いながら、「やってよかった」という満足感を与える手法です。怠ける子に対しては厳しい叱責がいります。