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2002/1/14 name:かほ さん
 私は大学で教育心理を専攻しています。まだ1年生なので具体的な勉強はしていません。私たち1年生は教育学を勉強しているところです。最近、よく大学で「総合的な学習」という言葉を耳にするのですが、具体的にどういうものなのかいまいちつかめないんです。「総合的な学習」とはどういうものなのですか?教えてください。よろしくお願いします。

comment:かほ さんへ
 
ご質問のお答えになるかどうか、分かる範囲で回答します。 まず、総合的な学習とは、これこれしかじかである、という定義づけはされていません。文部科学省のHPなどで調べられると思いますが、「総合的な学習の時間」という呼び方で規定された時間のねらいが示されているだけです。こんなものに取り組めるのではないかといういくつかの例示がありますが、環境、福祉など非常に大きい範囲のものです。
 はっきりしているのは、これまで登場したことのない領域だということです。教科ではありません。具体的に何をするのかは、各学校の主体的な判断に任されていますし、どんな学習内容を設定するかも各学校の地域の実態にあわせて独自に開発しなさいということです。 
 だれも経験したことのない学習時間だということが結論なのです。どんな学習の中身が考えられるかは、当サイトの学習素材をご覧いただいて想像してみるしかないですね。次年度から本格実施しされますから、学校参観、実践レポートなどで正体をつかんでいかれますようお願いしたいと思います。
 簡単に考えると、これからさきカリキュラム開発が盛んになります。そのとっかかりの部分が総合的な学習の時間と言い替えてもいいでしょう。
 教育心理専攻でしたら、現場では教育相談や評価が大きな課題になっています。認知心理学や認識論が重視され続けていますので、活躍をご期待いたします。

2002/7/29 name:修正さん
 私は、森林・林業のコンサルタント会社で、森林の総合利用の業務に携わっている岩村と申します。文部省の提唱した総合的な学習のページを検索していたところ、貴殿のHPに辿り着きメールしているところです。
昨今の総合的な学習の中で、森林をフィールドにした学習が盛んに行われていると聴いておりますが、具体的には、どのような学習が行われているのでしょうか?一概に山や森林といっても、広さも違うし、地域性によって生えている樹木も違い、また、生徒の年齢別、体力別にも、学習の仕方、方法が違うと思います。特に、お伺いしたいのは、教材として、どのような森林があれば良いとお考えでしょうか?自然のままの森林、山は教材としてどこにも存在しますが、森林でなかったところに、環境教育のための森林をつくるという発想も最近では多く聴かれるところです。このたび、このような環境教育のための森林づくりという観点から、いろいろな情報を取り寄せているところです。

comment:修正さんへ
 
雑木中心の自然林と人工林で教材の視点は変わると思います。身近な雑木林は資源としての活用、環境保全の役割を探ることが可能な樹種があれば理想です。生産性が低い分現状は下草が茂り、入山しにくくなっていますから、資源としての価値観と動物や人間にとって山が有用だという価値観をみいだせるならば整備する意味はあると思います。何かを理解させるのではなく学び取る材料が豊富にあることがポイントです。
 人工林は採算性が見失われ手入れされないために環境保全の足をひっぱているのが現実です。30年生以上の良質のヒノキが育っていても伐採費用を差し引いたらただに近いところが多いのです。そうした人工林に興味と期待を持たせるのは難しいです。自治体の森林課が予算をつぎ込んで森づくりに参画させようと林業体験などを企画していますが、なかなか思うようにいきません。
 森と共生できる、森があれば生活は成り立つというモデルの開発があれば期待できます。林道を造りながら、森を大切にしようという施策は環境破壊の提案にしかなりません。キーワードは「循環型社会」と考えていますが、いかがでしょう。