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25 Augast 2001 name:まりcomment: はじめまして。
 私は大学院で都市計画を勉強している修士の学生です。実は、小学校における地域学習や一部の総合的な学習の内容というのが、市民参加のまちづくりへの取り組みと良く似ていると思い、そのような学習がどのような仕組みで行われているのか、地域の人や専門家、自治体はどのように関わっているのか、「まち」にとっても、「子ども」にとってもより効果のあるものとするには、どうしたらよいのか等を研究しております。しかし、小学校の場合、地域学習等は担任の先生しか詳しい内容を知らなかったり、総合的な学習であれば、ここ2年くらいの資料しかないし、社会科や理科の発展形として行われていた授業であれば、やはり担当した先生だけ、つまり、先生が移動してしまっていたら、そのとき行われた授業の内容に関しての資料が行方不明になってしまうなどあって、小学校に問い合わせても、なかなか授業の実態がつかめず、研究が行き詰まってしまいました。そこで、今度は「まち」を題材にした授業を精力的に行っている先生に着目してみようと思ったのですが、なにせ、工学部のためどのように調べたらよいのかわかりません。
 突然で申し訳ないのですが、どなたか、東京、横浜近辺で、「まち」「まちづくり」を題材として総合的な学習、またはそれに類するものを実施されている方、教えていただけませんでしょうか?
 また、やはり、小学校での経年的な取り組みと言うのは調べることは困難のでしょうか?実は、何年か前に自治体と協力するなどして、先進的な授業を行った学校のその後、その活動の影響などを調べたいとも思っているのですが、そのようなことを推測できるような資料がどの小学校で聞いても、「ないと思う」と言われてしまいました。小学校を卒業したのも10年以上前ですし、小学校の事情、常識に疎く、授業カリキュラム策定の仕組み、事業実施の仕組み、内容に関する主導権は誰が持っているのか、学校の方針は誰が決めるのか、教師の移動の仕組み等、見当がつきません。どなたか、簡単で結構ですので、小学校の事情に関して教えていただけませんでしょうか?よろしくお願いいたします。

25 Augast 2001**comment:マリさんへ
 残念ながら10年ぐらいを単位とした年次的研究を行っている公立学校は大学の付属学校か個別化教育など、指導法の研究(愛知県東浦町、岐阜県池田町など)を行っているところぐらいしかありません。研究指定と称して国・都道府県の研究補助金を受けて公開研究をしているところは、だいたい2.3年のスパンでしか計画していません。
 また、研究推進をするスタッフは中堅の教員と管理職が主ですから、5.6年のサイクルで他校に異動してしまいます。突出した学校を作らず、人員をたらい回しにして、全国一律の教育を保障してきた国策に従っていました。少しずつそのあたりの様子は法改正されていますから、これからでしょう。
 というような事情ですから研究会後の実践資料を収集するのは、無理というのが結論です。研究会がお祭り的になって、研究成果がカリキュラムに蓄積されにくいシステムといわざるを得ません。カリキュラムは校長・教頭・教務主任を中心に校長が都道府県、市町村の教育行政施策と法令に基づいて学校教育目標を設定します。その年の重点目標の設定とともに教育計画を教員全員で合議しながら作ります。最終的に市町村教育委員会が承認をしてカリキュラムが実施されます。研究推進などは、校長・教頭・教務主任・研究主任ぐらいまでのスタッフが中心になって進めるところが多いいと思います。主導権とか方針の決定権は会社組織と同じで、学校の場合最終責任者は校長になります。
 総合的な学習で取り上げられる町づくりは、まだまだ地域・自治体とつながるところまでいっていないと思います。町づくりはこれまで自治体が主導して、一部の有識者の意見を集約しながらやってきたわけです。住民参加で防災都市計画をやってきた被災地神戸も現地に入ってみないとどこまでいかされたか分かりません。3.4年の社会科で自分たちの住んでいる町を学習しますが、組織体との結びつきや自分たちの願いを深めるところはごくわずかな時間になり、大まかなものになるでしょう。
 設計士が学校建築に関して地域住民と話し合いながら、地域に開かれた学校づくりをしたところがあります。生涯学習を担っていける学校施設の設計がユニークでした。岡山県内に2校手がけています。

22 November 2001 name:熊本市S comment: ミニFM局を総合学習で使いたい
 中2向けの総合学習をテーマ「情報」でやりたいと考えています。現在、中1で表現に取り組みました。今回、次年度の「情報」をテーマに、新聞・テレビ・ラジオ・本・インターネットを取り上げていきたいと考えています。ラジオについては、身近なミニFM局が商店街にあるので、これを利用しようと思っています。これから、組み立てていくためのノウハウを教えてください。

22 November 2001**comment:熊本市Sさんへ
 
投稿ありがとうございました。当サイトをご利用いただきお礼申し上げます。
 さて、ミニFM局の活用の件。私もそうしたマスメディアは意識していませんでした。身近にないというのが現実です。ただ、教え子が学生時代に番組製作のスタッフをしていたことから、およその見当はつきます。
 まずもって、生徒たちがどの程度視聴しているかが興味の分かれ目になります。小出力の地域限定ラジオを聴いている実態があれば、あるいはこれまでに学校紹介やお知らせを放送していただいたという経緯があればつながりは早いと思います。一般的にNHKFMのエリアが都市部で半径30kmぐらいですから、広範囲すぎて身近さはなくなります。音楽番組が多いというのも、視聴者のかたよりが予想できます。
 下準備としては、番組編成の中に生徒が参加できそうなもの、取り上げられそうな話題があるかないかを見通して投げかけるようになると思います。もちろん、視聴したことのある生徒が一人もいないとなると、身近なメディアにどんなものがあるか広範囲に取材する場面も必要になってきます。校内の話題がオンエアされるようになれば、あとは視聴者のニーズを番組スタッフと同じ感覚で調査することによって、マスメディアの果たす役割をつかんでいけるのではないでしょうか。