まずもって、上記のような状況下で図書館教育を総合的な学習として展開したとしてもおっしゃるとおり総合的な学習にはなりません。本を読むことと本を紹介することは、生徒の読書活動を促す手段でしかありません。「本を読むことは自ら学習することだ」と詭弁を展開するのは学習の目的を見失っていると私は考えます。図書がパソコンになっても同様のことです。図書館教育、情報処理教育というカテゴリーは学問領域ではなく方法領域になります。
生徒が学ぶということに消極的な考えが蔓延しているようですから、時間の取り方が楽をしているといっても説得力がないでしょう。10分間読書と本の紹介という活動に対する学習テーマが設定され、そこを追求する手段として図書を活用する考えが一番すっきりします。環境問題でも福祉問題でもいいですから、大きなテーマと図書の接点を位置づけるパフォーマンス材料がいります。総合をしないといけないし、図書館教育の発表材料を用意しないといけないしということで脈絡のない提案をしたらバラバラの取り組みしかでてきません。二つをつなげる総合的な考え方の提案をされてはどうでしょうか。