「紙」をテーマに

 
 
 身近にありすぎて、バリエーションが膨大です。樹形図の切り口を見つければ選択肢は並べやすいで
しょう。逆に地域に密着したものがないと、先生が主導権を握りやすくなります。
1 地域密着素材
「雁 皮(がんぴ)」 「古 紙」
 中山間地の雑木林に自生しています。表皮が雁の羽のように光沢があり、1〜2メートルぐらいの落葉広葉樹です。 皮はしなやかで長い繊維となっています。和紙の原料となるのは表を取り除いた皮です。
 かつては、丈夫な和紙、紙幣の原料。私も子どもの頃は、採集して問屋さんに売りに行き、小遣い銭を稼ぎました。
 木の生長が遅いので、今は見向きもされません。「みつまた」「こうぞ」が効率的な原料として家内工業的に作られています。
ひも状にもなりますので、リース
などの手工芸材料としても使えます。
  多様な身近にある紙を再生することが可能です。基本的に紙は植物の繊維を絡ませて、糊で固定しているだけのものです。
 ミキサーにかけて
古紙の繊維が絡ませるのになおかつ十分な長さであれば、使えます。牛乳パックは表面のコーティングをはがせば、繊維が長い紙が再生できるので、多くの方が試みているわけです。
「紙」から「紙」という発想もあれば、「紙」から「粘土」という発想もあります。人形劇の人形を作るために「自作紙粘土」を作りました。 私が小学校6年生の時のことです。「紙粘土」は教材屋さんにあるものと信じていたら、おしまいです。

 「雁皮」 左の茶色のところが表皮、径6mm*高40cm

2 紙づくり
1 原料を煮る
 繊維を柔らかくしてほぐすため。原料によっては水酸化ナトリウム液で煮て水洗い後、塩酸で中和する。
劇物薬品につき使うときは注意
2 くだく
 繊維をある程度の長さ
に切るため。ミキサーを使うと早いが、ミキサーの連続使用定格を確認すること。
3 糊をまぜる
 洗濯糊を1リットルにつき1〜2cc入れて、仕上がりを丈夫にする。
4 すのこですく
 厚さを加減し、繊維を絡ませるため。すのこはステンレス金網が手にはいると自作できる。
5 乾かす
 ガラス板の上にのせて乾かすとはがしやす い。半がわきの時にアイロンをかけると平らにできる。
 
        参考文献 左巻健男 「おもしろ実験・ものづくり完全マニュアル」 東京書籍
3 紙をテーマにするよさ
・ 身近な原料を使うことで、紙のねうちに近づける。
・ 作った紙が最終到達点ではなく、その紙を何に使うかが紙づくりのねうちになる。
・ 紙以前は木や竹を薄く削っていたので、その原体験は価値観を倍増させる。
・ ケナフは物珍しさが強く、稲わらの方が衝撃が大きい。
・ 古紙を原料にすることで、リサイクルユースでない加工紙にたどりつくことができる。

情報提供、ひらめきは随時追加します。

4 紙については検索サイトで自力解決してください。

5 紙から連想ゲーム


  木−みつまた−楮・こうぞ−がんび−森林破壊−地球温暖化
 −二酸化炭素−光合成−草−パピルス−ケナフ−わら
−和紙

 −羊皮紙−紙の歴史−木簡−竹簡−墨のよさ−紙漉−手漉き和紙
 −和紙の産地−しおり−卒業証書−便せん−はがき−交流−紙風船
 −紙飛行機−ちぎり絵−貼り絵−ペーパークラフト−コースター
 −ランプシェード−再生紙−牛乳パック−リサイクル−廃品回収
 −分別収集−エコマーク−段ボール紙−板紙−紙粘土−張り子
 −民芸品
−ないといけない紙−なくてもいい紙−紙の灰−コート紙
 −危険な灰
−紙の鍋−燃えない紙−硫酸紙−酸性紙−中性紙
 −捨てなくともよい紙−紙製の卵パック−シュレッダ−ダスト
 −こより−七夕祭り−水引−ETC.