総合学習バーチャル実験室  


  花づくりの素材

  1 花づくりの視点

    1)いのちを育てる視点
      ・ 種や球根にもいのちがあることに気づく。
      ・ 種から種、苗から苗へのいのちの連続性に気づく。
      ・ 鑑賞用、食用、他の動物の餌用など多様な花の存在に気づく。
      ・ 花=見るものという固定観念を崩していく。
      ・ 草と木の種類で生育期間の長短があることに気づく。
      ・ それぞれの種類で生育環境に個性があることに気づく。
      ・ 野生のものと栽培してるものの違いに気づく。
    2)活用する視点
      ・ 加工材料としての花。
      ・ 生きた飾りとしての花。
      ・ 贈り物としての花。
      ・ 餌としての花。
      ・ 実、茎、根、葉を収穫するための花。
      ・ 遊びに使える花。
      ・ 教科書に出てくる花。

  2 目的別花づくり

    1)加工材料
      ・ 押し花を花の時期に大量に作り、それを素材にデザインする。
       (ラミネーターがあると便利)
      ・ ドライフラワーは乾燥剤なしでできるものを選ぶ。(スターチス、麦藁菊)
      ・ ハーブ類は葉や花をお茶にしたり、乾燥させてにおい袋を作ったりする。
      ・ 開花直前のススキの穂は立体造形の材料になる。
    2)生きた飾り
      ・ コサージュづくりはランの花だけでなく、多くの切り花が使える。
      ・ 鉢植えは苗よりも種から育てる。(発芽率のよい種を選ぶ)
      ・ 球根の水栽培は水が補給できる容器なら何でも使える。
      ・ ハイビスカス、ベゴニア、ゼラニウムなどはさし芽で増殖できる管理しやすい鉢花。
      ・ 小菊は手軽にだれでも挑戦でき、繰り返し苗を作ることができる。
      ・ サボテンなどの多肉植物は水やりを頻繁にしなくてもよく、毎年開花する種類も多い。
    3)贈り物
      ・ 葉牡丹づくりは花の少ない時期に提供できる。(種まきが夏休み中になるのが難点)
      ・ 押し花のしおりは大量生産向きの素材。
      ・ 開花期間だけ鉢やプランターを提供する作戦。
    4)餌
      ・ 人参、キャベツ、白菜、大根、ほうれん草などは餌にしながら、種を取るところまで育てる。
      ・ 麦は土地があり、種が手に入れば餌の少ない時期に使える。花を見逃さない。
      ・ サツマイモはイモもツルも8月末ぐらいから使える。
       (10月ごろに一時に収穫するのはまずい)花は難しい。
    5)実、茎、根、葉を収穫
      ・ 豆、トウモロコシ類は畝を作らずに種まきし、成長期に土を寄せて畝状にする。
        花を見逃さない。
      ・ イチゴはランナーを9月ごろ移植し、毎年苗を買うようなことはしない。花を見逃さない。
      ・ スイカやメロンは収穫期が夏休み中になり、工夫がいる。
      ・ 野菜類はレシピの収集を同時に行う働きかけがいる。
    6)遊び
      ・ はと麦は種の模様が変化に富んでいるので、ビーズ代わりになる。花を見逃さない。
      ・ クローバーの花は首飾りを作って遊べる。
      ・ 洋種ヤマゴボウの実はいる水遊びに使える。花を見逃さない。
      ・ おなもみは乾燥させて的あて遊びに使える。花を見逃さない。
    7)教科書
      ・ 草木ともに学校内にとどまらず実物にふれることのできる場所を調査する。
       (実物にふれる必要性を吟味)
      ・ 理科の教科書にでてくる例示品目にとらわれず、育てたいものの選択肢を示す。

  3 実践に向けて

    1) 商品として種があるものはすべて花が咲いている事実を知っておく。
    2) 個性を持った植物を育てる過程での花を意識する。
    3) 成功体験だけを提供するような世話はしない。
       いのちを育てることの厳しさ、難しさも体験のうち。
    4) 失敗体験を補完する方法として、複数の栽培を行い、意欲が連続する手だてを整える。
    5) 食材と花づくりが相関するような視点を常に持っておく。
    6) 素材と気候風土の適合性を知るために地域の情報集めをしておく。
    7) 連作障害の基礎知識は先人のデータベースに頼る。
       ただし、接ぎ木苗はこの限りにあらず。