総合学習バーチャル実験室  

  外国人と交流するくらし

 1 どこまでが外国人ですか

   「国際理解」という言葉は抽象的で、とても範囲が広いと思います。 
   外国人と交流すれば国際理解ができるとはかぎりません。
   自分自身がどこまでを外国人と認識しているか整理するところからはじめます。
        
   
   1)それぞれちがう定義
     ・ 髪、目、肌などの色の違いを基準にして、自分とは違う色をしていたら外国人と思っている人がいます。
     ・ 話している言葉が日本語でないと外国人だと思っている人がいます。
     ・ 本人が話す国籍をもとに外国人だと判断している人がいます。
     ・ 日本の国籍であっても髪、目、肌の色が違ったら外国人だという人もいます。
     ・ 日本とは異なる文化を持つ人を外国人と考える人もいます。
     ・ 民族が違うと外国人だと考える人もいます。

   2)私が出会った外国人
     ・ 英語指導助手として来ていたのは、アメリカ、オーストラリア、カナダ国籍の人でした。
       ロシア本籍カナダ国籍という人もいました。。
     ・ 研修に来ていたのは、中華人民共和国、ベトナム、インド国籍の人たちでした。
     ・ 親善交流の場で出会った人は、ペルー、オーストラリア国籍の人たちでした。。
     ・ 大学で受講したときの英語教員はアメリカから来た人でした。
     ・ 歯医者、工場へ働きに来ていた人たちは、台湾、ブラジルの人たちでした。
     ・ 伝統芸能の文化交流に登場したのは、韓国の人たちでした。
     ・ 日本人とアメリカ人の間に生まれたアメリカ国籍の日本語が話せない小学生もいました。

   3)先入観、固定観念の点検
     ・ 英語以外の言語はちんぷんかんぷんで、ちょっと抵抗があるなあと思っていませんか。
     ・ 自分と同じモンゴル系の外国人と出会うと、言葉を聞くまで外国人とは思わなかったということはありませんか。
     ・ 肌が真っ黒の外国人と出会うとおっかないのではと不安になったことはありませんか。。
     ・ 外国人には先方の言語で何か話さないといけないと思いこんだことはありませんか。。
     ・ 先進国、発展途上国、歴史的経緯のある国という分け方で優劣を考えたことはありませんか。
     ・ 日本人はみんな外見上同じで、民族の違いなど考えたこともないということはありませんか。
     ・ 中、高校の指導内容で外国語=英語と勘違いしていませんか。

 2 外国人との交流でめざすもの

   外国人に対する先生の価値観が子どもに反映しやすいメリットとデメリットがあります。
   目の前に外国人がいないとできないことです。

   1)異文化の交流
     ・ ギョウザ、ナン、カレー、ポークビーンズなど家庭料理としての食文化をとおして交流する。
     ・ 生活をともにすることによって、生活習慣の違いに気づく交流をする。
     ・ はし、折り紙、習字、こま、たこ、俳句、短歌など相手国にない独自文化を知らせるために交流する。
     ・ 遊びをとおして交流することで、相互理解を進める。
     ・ 気候、風土の違いと着るもの住まいの違いを日常会話の中から学ぶ。
     ・ 相手国の習慣に合わせることと自国の習慣に従うことを学ぶ

   2)基本的な理解項目
     ・ 言葉が通じないから困るということはない。
     ・ 英語を公用語的に重視する人がいるが、英語圏だけが交流の対象ではない。
     ・ 全国で通用する日本語の独自性も尊重したい。
     ・ 公用語の考えは、そもそも一国に複数言語を使う国民で構成されているからで、
       つきあいの多い相手が英語だからという根拠は説得力が弱い。
     ・ 違いを認めあって、異文化に親しみ、外国との歴史的経緯を学びながら親交を深めたい。
     ・ 交流は、一方通行の交流ではなく、自国のよさも相手国のよさも伝えられる相互交流にしていきたい
     ・ 身近なところで出会いが可能な相手国を学習対象としたい。
     ・ インターネットを利用して国際交流のきっかけはつかめるが、目的にあった相手探しが一番の課題。

 3 人権の視点

     ・ 先入観をなくすための出会い。
     ・ 違いを学び取るための交流。
     ・ 在日の問題と外国人の問題は異なる。
     ・ それぞれの国との固有の問題を学ぶ姿勢。
     ・ 人権意識の違いを学ぶ。