総合学習バーチャル実験室
森や川に頼るくらし
1 森から創出可能な素材
お気の毒ですが町の中の学校では困難なことばかりです。
自然環境に恵まれた田舎の学校は素材探しにも恵まれています。
自然環境が教科書です。
環境に恵まれない町の学校は悲しいかな、与えられた教科書でバーチャル体験。
こんな素材はいかがですか?
1)炭を焼いて野外炊事
・ ドラム缶、ふせ焼きの方法が簡単に短時間でできます。
参考文献 恩方一村一品研究所「炭焼き教本」創森社
岸本定吉「エコロジー炭焼き指南」創森社
岸本定吉「竹炭・竹巣液のつくり方と使い方」農文協
・ どんな木を焼くか、どんな材料が焼けるか調べる必要はあります。
・ 炭焼きは手段であって、炭を生活に生かすことが目的になります。
・ 火おこし体験から組み立てられたら、興味の幅は広がります。
2)きのこ栽培から野外炊事
・ しいたけ、えのき、しめじ、ひらたけ、なめこなどが栽培可能です。
・ 原木採取、植え付け、菌増殖まで最低1年間かかるのが難点です。
・ おがくず(木の種類は限定)を使ったポット栽培の方法もあります。
・ 栽培床を作っておけば管理はしやすくなります。
・ 最も手間がいらないのはしいたけ栽培です。
3)食材を探して味わう
・ 欲しいときに採るのではなく、季節の変化に合わせて採ります。
・ ふきのとう、わらび、ぜんまい、山うど、いたどり、ふき、たらの芽
せり、よもぎ、よめな などが春の食材です。
・ しいの実、どんぐり、山ぐり、山ぶどう、あけび などは秋です。
・ どのような方法で食すかは、すべて教えない方がよいでしょう。
4)木を使って創る
・ 生木を利用するか、乾燥させた木を使うか目的に合わせます。
・ ペンダント、置物、壁飾りなどは乾燥させた木の方がよいでしょう。
・ はし、しゃもじ、フォークなどは生木でも一時的に使えます。
・ ぶちごまは遊び道具としておもしろい素材です。
・ 柔らかい木か、硬い木かで使い方を選ぶ必要はあります。
・ うるし、はぜ、ぬるでなどは体質によってかぶれます。
5)葉を使って創る
・ 形のおもしろさと色の美しさから材料を採ってきます。
・ 耐久性を考えるならば押し花と同様、押し葉にして乾燥させます。
・ 石油製品に頼ってしまいますが、ラミネート加工すれば保存できます。
6)動物をながめる
・ 好奇心の強い、興味を持つ子どもだけの特権です。
・ コレクターの素質がある子どもは継続的に取り組むでしょう。
・ 野鳥観察、甲虫探しぐらいで、食物連鎖にまで発展することはまれ?
・ 本来、森の動物は生活の糧です。でも、食すことには抵抗があるかも?
2 川から創出可能な素材
森と川は切り離せない環境です。
水路としての川しか見えない現実に目をやれば課題はいっぱいあります。
生きるための水と食材のある場所が出発点になります。
こんな素材はいかがですか?
1)川がなくてもため池で自然環境を再現する
・ 先行実践がありますので、自力でやってみてください。
・ コンクリートで固めた池はよくありませんが、設計次第です。
・ トンボ、メダカ、かえるなどが生息して世代交代ができるようにします。
・ 私の勤務校では、今モリアオガエルの定着をねらっています。
2)ほたるの飼育
・ これも先行実践があります。
・ 飼育環境の施設づくりが大変です。
・ 水路、カワニナ、幼虫の3点セットがそろうところなら可能です。
・ 減少した環境と現存しているところの環境を比較して課題を見つけます。
・ 水中生活をしないヒメボタルも条件によっては扱えます。
3)魚の種類、水中に生息する昆虫類の調査
・ 魚釣り、さかな取りをしながら取り組めます。
・ 餌は現地調達が原則で、買ってくるのはいけません。
・ オヤニラミは支流域にかなりいます。希少種と騒がれながら調査不十分。
4)釣る以外の魚取り体験
・ 子どもは網ですくうという発想しかないと思います。
・ 石の下に隠れているのを手づかみできます。
・ 大きな金槌で石をたたき、ショックを受けた魚が浮くのをつかみます。
・ 竹筒を細工した「もじ」で一度にたくさんとります。
3 森や川は環境そのもの
・ 維持されている環境と破壊されている環境を比較すると課題は見つかります。
・ 化石燃料に依存しない閉塞的な生活を描いてください。
・ 循環型の自然素材を使って、ゴミは常に土に帰ります。