費用対効果
「1000円乗り放題、はたまた高速無料化。お得感で喜んでいるけど、大丈夫ですか?」
『渋滞の問題以前に、経済効果があるのかどうかだれもしゃべりませんね。』
「燃料も含めて消費行動は増えますから、経済が上向くというのは眉唾ですか?」
『嘘です。費用対効果を総合的に試算しないと意味ないですね。』
「バス、鉄道、船は利用者が減って、困っているとか。」
『自家用車を持たない人は何の恩恵もないですね。』
「バスもトラックもありがたみはない。」
『二酸化炭素量が増える方向で、不公平感がいっぱいなんですね。』
「交通手段のそれぞれのよさを生かすようにしかけないと失敗に終わるでしょう。」
『特に無料化は影響が大きすぎますね。』
「どんな策がいいですか?」
『割引制度が一番だと思いますね。』
「すべて半額とか?」
『というより100kmごとに定額にし、不足見込額を税金で補うってのはどうでしょう。』
「公共交通機関を利用した人へのお得感はほっときますか?」
『そこなんです。費用対効果の試算が必要なところは。』
「瀬戸大橋往復とフェリー往復がバランスのとれた料金でないと利用者は分散しないですからね。」
『飛行機は時間効果がありますから別格としても、高速バスと鉄道が共存しているのは、費用対効果の結果と言えます。』
「確かに。時間はかかるけど安い。高くつくけどそれなりの時間短縮効果はある。利用者は分散していますね。」
『家電のエコポイントみたいな眉唾施策より、マイレージポイントみたいに幅広い層にお得感を提供すれば説得力がありそうですね。』
「利用距離に応じて割り引き還元でもいいな。」
『還元率を交通機関ごとにはじけばできるし、その年の実績に応じて還元率は変動すればいい。』
「100kmで2700円の高速料金に対して1km15円の還元をすれば1200円という仕組みかな。」
『そういうことです。電車やバスでも発券するときに還元して料金を精算するのです。最終的に各社へ還元した金額を税金で補填することになりますね。』
「定期券や回数券はどうするの?」
『振り分けはどうにでもなりますよ。各社の料金システムの変更だけですから。』
「環境負荷軽減に貢献しているものほど還元率を微調整して欲しいな。」
『いきなり確定的な率を示すのではなく、暫定期間を設けてやらないと破綻しますね。毎月還元率が変動しても対応できそうな気がする。気がするというのは、料金システムを作ったエンジニアに訊かないと分からないこと。』
「高速1000円にしてみて、われもわれも不要不急の動きが出てしまったことは反省しなくちゃ。」
『物流や高速バス、鉄道、フェリーなどの関係者は怒ってますね。』
「潤ったのは名所、観光地だけとか?」
『学校でやっている総合学習といっしょですね。』
「総合的に考えて計画しないと打ち上げ花火になるってことかな?」
『そうです。学習の成果はそっちのけで、やることが目的になってしまいます。』
「だから、今、やったらどうなのという振り返りがいると?」
『どこまでも1000円はまずい、ただはもっとまずい、じゃあどうするという振り返りですね。』
「1000円だから出かけたという人は、変。」
『でしょっ。○○に行きたいから出かけるのが普通ですね。』
「1000円でどこまで走れるか、に至ってはずっこけます。」
『納めた税が使われていることを出発点に出かける計画をしないとね。』
「それと、恩恵に与れない人たちがいることも忘れないで。」
『税を投入する以上、公平さと費用に対する効果は精査すべきことです。それがばらまきでない根拠になりますね。』