朝三暮四のばらまき
「ばらまきといわれたり、選挙目当てといわれたり、子供だましが続きますね。」
『もとは税金ですよ。余ってもいないのに景気刺激を理由にして仕掛けています。』
「借金までしてやるんだから、朝三暮四以上のことになっていますね。」
『元手が同じでは効果が薄いと考えたのでしょうけど、結局ツケはどこにいくか見え見えでしょう。』
「休日限定、ETC限定、車種限定でくすぐられていますけど、不満を持つ人もあるでしょうね。」
『雇用不安や収入減など、直接の問題をさておいて消費をあおっているんですよ。拡大してしまった格差を解決する方法ではないです。ETCを使わない人や運送業の方は嘆いているでしょう。』
「資金のある人はにんまり、ない人は焼け石に水状態ですね。」
『それでもばらまくから、ずれが大きくなる。』
「給付金だって変ですし、環境負荷の低い車への減税や太陽光発電設置の補助なども変。場当たり的な対策になっていませんか?」
『収入と支出のバランスが崩れかかっているときに消費拡大を刺激しても効果は薄いと思いますよ。』
「定額減税と給付金は同じことですよね。対象が違うといっても、結局世帯収入で考えたら同じことです。」
『朝三暮四そのもの。不景気をどんな立場で見ているかによって話が変わってきます。ものが売れないから消費をあおるのは、一見筋道が通っているようで一面的な見方なんです。』
「労働者も資本家も不景気になって行き着くところは収入減ですよね。」
『そうなんですけど、その中には債務によって収入を得ようという人も混じっています。』
「債務者にとっては、当座の運転資金が動かないと倒れますね。」
『こうして考えていくと、それぞれの立場で収入保障があるかどうかが鍵だと思いますよ。』
「ETCをつけたり、車を買い換えたり、太陽光発電をつけたりする人は収入に見込みがある人ですよね。」
『収入に見込みのない人は借金もままならないでしょうに。』
「困っているところに税金をつぎ込むならば、納得もできますし、効果的な景気刺激策になりますね。」
『足りないところを穴埋めし、余裕があれば貯め込んだり、投資に使ったりするのが順当な税の使い道でしょう。』
「目先をあおる動きは冷静に受け止めた方がいいですね。」
『冷静さを失っているマスメディアも要注意ですよ。』
「大波をよけるため、船が波と平行になりつつある危険性ですね。あわや沈没もあり得る。」
『大波に向かっていかなくちゃ。変えたいところも変わりません。』
「既得権、既成事実を覆せばバランスは取りやすくなるのでは?」
『一番の最短コースです。と言いたいですが、抵抗勢力は大きいでしょう。』
「混沌としているのは政治だけではないですからね。」
『経済も、教育もつかみ所がない。』
「めざすところが見えないまま豊かさを夢に置き換えただけで、空回りしているような気がします。」
『やっぱり大きなうねりがいるとき、大局を見据えて価値あるものを見抜くことで生き残れるかな。』