携帯端末

「携帯メールの中毒患者が増えているそうですね。」

『一部とはいえ深刻になってきました。』

「18禁へのアクセスも野放し、掲示板をはじめとする書き込みサイトも野放しですね。」

『ばれなければ何をしてもよいという考えもはびこっています。』

「何とかなりませんか?」

『売らなければいいと言い放った人がいますが、すでに持っている人の問題は解決しません。』

「禁止するのは、いきなりタバコを売りませんというのと同じことになりますね。現実的ではないです。」

『営利に走った接続業者の社会的責任も問題です。』

「どういうことですか?」

『使用者の責任ですと知らん顔しています。』

「買い与える方の問題もないとは言えないですよね。」

『責任者である親が自らの努力で規制をかけることができないんです。』

「でも、フィルタリングは用意されていますよね。」

『メールで仲介する抜け道はあります。』

「メールを使えないようにすればいいですよね。」

『一時的には止められても自分でつなげば復活しますよ。』

「メールのサービスを受けない契約にしたらどうなの。」

『そうするとインターネットも使えなくなる。連動している機種が結構多いですよ。』

「必要なものだけを選択して買えばいいわけだ。」

『どこの会社でもできるとは限りませんよ。』

「そうなの。」

『抱き合わせ販売の典型的な形が携帯端末ですから。』

「必要ないものもいっしょに付けてバラバラに選択しにくくしているということですか。」

『通信料と接続料でしか稼げないんですから、明朗会計にすると収益予測がつかない。』

「それじゃ、売ってる側に貢いでる場合もあるんですか?」

『あり得ます。だって、携帯端末といいながら無線ランで持ち運びできるパソコンを操作しているのと同じですよ。』

「なるほど。必要なものだけ入ったパソコンが市場に出にくいのと同じだ。」

『使いもしないアプリケーションを詰め込んだお買い得にだまされて買うでしょ。』

「必要なものだけ選べば、安くなりそうだけどそうじゃないんだ。」

『だから、無謀な道具が入ったものを買わされている。』

「じゃ,電話だけの携帯端末もあるんだ。」

『あるけど、割引が適用されず、高くつくでしょうね。』

「電話とメールだけという選択肢も可能なんだ。」

『全部じゃないけどね。メールとインターネットをセットにしてアプリケーションを作った会社はだめですね。使わないものも買わされちゃう。』

「現実に、自由な野放しの世界に規制なしで放り込むことは無謀ですから、適正な選択肢は必要ですよ。」

『だから、営利に走るより、社会的責任を感じてほしい会社もあるんです。』

「う〜ん、ウィンドウズの呪縛から逃れられないのと同じだぁ。」

『デジタルデータは汎用性が必要なものと専用の道具だけでやりとりできればいいものとどちらかなんです。』

「文字も絵も汎用性のあるデジタルデータが自由に飛び交っていますね。」

『自主規制が弱ければ、管理者、利用者が自ら規制をかけ、選択できなければいけません。選択する自由もあるんです。』

「見せたくないテレビ番組を放映するなという意見と同時に、見せない選択肢も行使できることが必要ですね。」

『料金が妥当かどうかは、固定端末の経費と比較すればいいです。』

「違う部分はありませんか?」

『携帯端末は無線ランですから、各社が設置している無線中継局の経費は負担せざるを得ません。』

「インターネットの通信料はどうですか?」

『常時接続の固定端末と比べたら、大違いです。必要性を考えて使わないと無駄でしょう。』

「友達がみんな持っているからほしいとか、持ってないと相手にされないとか理由にならない理由で買い与えるようなものではありませんね。」

『ゲーム機や乗用車といっしょです。商品知識を持たずして買い与えるとよろしくありません。』