学校裏サイト
「スパムメールの次は、裏サイト騒ぎが続いていますね。」
『相変わらず、正体が分からなければ何でもありという世界ですよ。』
「たかが人間が作ったもの、どうして規制ができないのか不思議ですね。」
『WEBサイトの管理責任が分散されしまうからですよ。だれでも簡単にネットワークに参加できるということは、なりすましや匿名が通用します。』
「アドレスがあるんだから、駆け込む場所とか通報する場所があればつきとめられそうに思うんですけどね。」
『それが、うまくいかないんですよ。WEBサーバーというサイトを開設する場所が、きちんと登録されたアドレスだけならいとも簡単に発信元を割り出せます。ところが、登録されていないアドレスでも固定したように見せかけてサイトを開設することができるんです。』
「ということは、プロバイダーという接続の管理者とWEBサーバーの管理者とサイトの管理者がいるわけですね。」
『そういうことです。WEBサーバーの管理者とサイト管理者が同一人物だと接続の管理者が規制するしか方法がないんですよ。』
「まだほかにも内緒でやる方法はあるんでしょ?」
『言葉の壁を利用する手もありますよ。海外のWEBサーバーを利用すると中身のチェックが画像だけになりますから、甘くなります。言葉が分からないと言いたい放題もまかり通るでしょうな。』
「そうなんだ。日本人の閲覧者が見つけて、削除依頼を手配するにしても相手の言語で通知しないとできないんですね。」
『管理者がみんな良心的にやれば問題ないことなんですが、表現の自由とお金儲けが絡んでくるだけに一筋縄ではいかないんですよ。』
「もうやっかいなことはないんですか。」
『固定されたパソコンなら、時間をかけて接続された道筋をたどることができますが、直行ではない場合も多くありますから大変な手間ですよ。それが、移動端末、いわゆる携帯電話になるともっとやっかいで、接続場所がころころ変わるからなかなかたどれないですなぁ。』
「何かいい手は打てませんかね。」
『掲示板スパムが蔓延したころは、サイト管理者が自ら規制をかけだしましたよ。パスを入れないと書き込めないとか、特定のアドレスや言葉を受け付けないとか。』
「国内に限定すれば,管理者のモラルが問われるわけですね。」
『行き着くところは利用者も含めて、モラルが問われますよ。』
「端末の情報を通知しなくてもつながる仕組みだから、最終的には個人の良心しか頼れないんですね。」
『禁止用語を拒否するように設定していても、ゴロ合わせでかわされるのが現実ですよ。』
「行き着くところは、ウィルスと同じように通知する公的な機関がいるのかな?」
『何もしないよりはましでしょうな。』
「あとは管理者が責任を果たせば防げますよね。」
『本当の管理者ならば、不適切なものは削除する権限があるんですよ。WEBサーバーの運営会社は通常規約に宣言してます。』
「もちろん、公開の場を洗浄するだけでなく、裏サイトがにぎやかになる原因も追及する余地がありますね。」
『生身の会話が少なくなってますよ。携帯端末が本当に必需品といえるかどうかです。』
「手段が変わっただけで、本質的ないじめの構造は変わっていませんからね。」
『不満の直接原因に矛先が向くのではなく、弱い立場を探し当てて昇華する方法は昔ながらですよ。』
「陰湿、冷酷な場として裏サイトはちょうどよかったわけですね。」
『落書き以上に秘匿性が高いでしょうな。』
「子ども向けに機能限定の携帯端末を提供すれば、子どもにとっては有害の度合いが減りますが・・・。」
『電話とメールだけでいいんです。連絡手段と考えれば,電話だけでも問題ないはずですよ。』
「何もなかったときと同じように、面と向かって話をするのが一番人間らしいと思いますね。」
『包丁が凶器になることなく、便利な道具であり続けるくらしがしたですよ。』