教育再生会議

「暴走してますね。」

『景気がよくないと教育がやり玉にあがるって話があります。』

「それにしても節度のないご意見には呆れますね。」

『言いたい放題で、後のことなんて考えてないかも。』

「教育現場がばかにされているようで不愉快ですね。」

『だから、節度がないっていうんでしょっ。』

「どうしてこんなことになるんでしょうね。」

『官僚が頼りないうえに正論を主導する人物がいない。みんな路頭に迷っていることをいいことに私が正論だと言い張っているようなもんです。』

「1割授業時間を増やすために5分短縮だとか、休みを短くするとか。この無策ぶり。小手先。つじつま合わせ。変ですね。」

『教育現場がそんなことでよくなるなんて、あり得ない。賢い子がそんなに簡単にできるわけがない。会議の足元を見れば分かること。』

「道徳を教科にするだって。」

『教科にしたら道徳心が向上する。そんな簡単なことでできるわけがない。道徳が必要なのは、いい大人のほうじゃないの。導く人の道徳心こそ問題だ。腐った宗教は、腐った宗教者から出てくるのといっしょです。信者は腐っていません。』

「基本的教科と基礎的教科に分けるだって。」

『基本と基礎の違いって何なのさ。訳の分からんことをのたまうなかれ。』

「受験の仕組みを黙認して、公立学校の塾化しか描けない教育再生なんて陳腐ですね。」

『現場と懸け離れた議論は、軋轢しか生み出しません。』

「夢を持って進路を決めるのは子ども自身ですからね。」

『教育の内容や方向性は上から降りても、実際に教壇に立って授業をするのは末端の先生です。ロボットではありません。』

「繰り返されてきた教育改革は、理念の実現なんですね。だから、遅々として進まず、手の平を返すように変わらないですね。」

『戦時体制下の強権政治では、指令通りに動きましたが、理念は崩壊してましたから当然のごとくうまくいかなかった。』

「医者不足、看護師不足、技術者不足が現実のものとなってきています。やがては、教員も不足しますね。というより、なり手が少なくなるでしょうね。」

『曖昧で、いい加減をよしとしてきた日本独自の手法はことごとく攻撃の的にされていますが、したたかな戦略にしてきました。世界で通用しないとつぶされてたら、ここまでのし上がってないはずです。』

「少数者の世論を顧みず、波は押し寄せてきますから、荒れる学校が目に浮かんできます。」

『あなたの考えている豊かな暮らしは、私の考えている豊かな暮らしと同じではない。意図的に作られた格差に惑わされると生きていてよかったなと思う社会には向かわない。』

「病気を治さずして、痛み止めでやり過ごしているようなもんですね。」

『核心の問題を避けてきた世論も、曖昧で、いい加減をよしとしてきた。痛み止めが効くといいが・・・。』