仕事の評価
「仕事の評価って、何をしているかでずいぶん難易度が違うでしょうね。」
『もの作りは、形となって評価されるものが目の前にあるから、比較的分かりやすいと思いますよ。』
「例の、いい仕事してますねぇって、中島さんが言うと、ものから作り手が見えてきそうですね。」
『その人が持っている高い技術が、形となって見える。ただし、人柄の評価ではないんですよ。』
「そりゃそうですね。人柄が優れている人が、必ずいい仕事をするとは限らないですものね。」
『逆に考えて、よくない仕事に対しては、お粗末、雑、粗悪・・・と酷評され、市場から淘汰されますよ。でも、偽物が見抜かれなかったときは怖いですよ。』
「まがいものでも、上出来で値段が安いなら魅力的という評価で、生き残るかも。ただし、違法のパクリはいけません。」
『一歩間違えると詐欺ですわ。偽物を本物と偽りお手頃値段で、ちゃんとやってますよと嘘の念を押す輩もいるから、ご用心を。』
「組織的にやっちゃって信用をなくす会社もあれば、罪を犯す会社もありますから見抜かなくちゃいけないですね。」
『品質管理という内外の規制がありますから、たいていは心配ないんです。氷山の一角に潜む会社が危ない。』
「自主規制で一定の水準を保っているから、仕事の評価も水準が保てるわけだ。」
『儲けてやろうと思う人間がいるとろくなことにならない。儲けさせていただいているんですよ。』
「正体がつかみにくい仕事も結構ありますね。評価するものが出てこない、見えない仕事は曖昧さに触れないようにしてきたのかな。」
『確かに、仕事の評価ではサービス業が一番難しいと思いますよ。』
「タレントや歌手は売れるか売れないかで仕事の評価が決まってしまいそうですが、これまた人気があるから
といっていい仕事をしていると言い切れませんね。」
『たいていの場合は、複数の評価がつきまといますから、評判という形で評価が出る。』
「自分で評価、仲間内で評価、お客さんの評価と複雑に絡みますね。」
『公務員もサービス業ですから、成果が形となってすぐに表れなくとも評判はつきまとう。』
「全体の奉仕者ゆえに相手はちゃんといますね。」
『ずいぶん前の話ですが、千葉県の松戸市はすぐやる課をつくって話題になったじゃないですか。』
「要はお役所仕事といわれないように、顧客を意識した取り組みが新鮮だったわけですね。」
『先生の仕事に至っては、評判より貢献度が一番かな。』
「貢献する相手が多岐にわたっているだけに、人の評価もつきまといますからね。」
『政治家も評判より貢献度でしょうな。』
「ものは満足度で測れる部分が大きいですけど、サービスは相手の満足度だけではたりないですね。」
『必要とする人にとっては、いい仕事がなされると満足が得られる。公共の福祉になっている。ところが、必要としない人に、いい仕事がなされたとしても満足感は生まれませんよ。悪くすれば無駄遣いだと言われちゃう。』
「行きつくところは、客観的な立場から、仕事を貢献度で評価することになるのか。」
『先生に限りませんが、複数の人間が絡み合いながら仕事をしていると、目立たないけどいい仕事をこなしている人が必ずいる。脇役あっての主役ってやつですよ。』
「サッカーや野球でもいえますね。」
『能力があっても貢献度が低いと、結果としていい仕事にならない。』
「授業がうまくて、子どもにも親にも評判の先生が、同僚に対する貢献度が低いためにうまくいかないというのは現実にありますからね。」
『どんな職種でも、組織が健全に機能してたら、満足度も貢献度も高い。いい仕事してますよ。』