学力テスト
「ついに2007年度から全国学力テストが実施されるんですね。」
『前回1961年度の騒ぎ以来ですから、半世紀ぶりです。』
「当時、何で騒いだんですか?」
『学校間、自治体間の競争や序列化が一番の不安材料。比べてもらっては困ると。』
「復活しても同じ不安はぬぐえないのでは?」
『その気になって、学校ごと、自治体ごとの素点集計をしなければ比べようがないですよ。』
「日本全体がどれだけ到達したかが問題であって、どこが一番で、どこがビリかという統計データの使い方は
興味本位でしょうね。」
『比べて競争したから、へこんだとこにがんばるように発破をかけられると思う人がいるんですよ。』
「学級でやっている定期テストだって個別のデータを知らせ、低い得点者に刺激を与える方法はかなり使われましたね。」
『建前ではテストの結果は指導に生かすと言えるんですよ。』
「選抜をするためにテストをするのなら、受験者にもそのことがよく伝わっていますから、文句なしです。」
『だからこそ、ネーミングに一ひねりされるよう期待したいな。』
「受験は選抜テスト。学力テストは到達度調査。何でもかんでもテストと言って誤解を招いてしまいます。」
『PISAについては学習到達度調査ですよ。』
「規模が大きな調査だけにネーミングは是非気を使って欲しいですね。」
『統計データは利用者が都合よく抜き取って解釈するんだから、ある面では魔物になってしまうよ。』
「今はやりの危機感を煽るマスコミにかかってはもう最悪です。」
『マスコミ以外では教育政策の面でも不安がでてきそうだよ。』
「文部科学省のことですか?」
『教育の均等な保障と地方分権の進み具合で、下心がなきにしもあらず。』
「格差が大きくなると黙ってはいないでしょうね。」
『格差が広がるような教育行政があり得るのかという無駄な心配もしなくちゃいけないなんて。』
「教育にお金をかけない自治体がでたり、地域格差として先生のレベルが落ちるなんてことはありますか?」
『あり得ないでしょう。大多数の先生は一定のレベルをめざしてやってきてますよ。』
「世界で何番目、日本で何番目・・・みんな気にしているとは思えませんがね。」
『何番目になろうとも、それがどうしたの?と思う人のほうが多いかも。』
「やがては実施される学力テスト、実施後の行方を一番に気にしなくちゃね。」
『学力の格差はあって当たり前のこと。教育の機会均等だけは維持されないといけない。』
「どこに住んでいても、一定レベルの教育が受けられるという点では日本は優れているんでしょ?」
『そこの物差しを作っていかないと現場の先生に突きつけるものがないんだな。一定レベルが見えるということです。』
『2年後の動きをお楽しみに。』