2学期制
「3学期制が延々と続いていたところへ、2学期制が話題となりあちこちで導入が始まっていますよね。何が目的の改革なんでしょうか?」

『学校週5日制との絡みが一番強いんじゃないかな。』

「土曜半日分の授業時間が減って、日数としては約50日休みが増えた。年間の授業日数が、一頃の240日から200日を切っているのが現状ですよね。」

『2学期制にしたからといって、授業時間を増やすことにはつながりにくいですよ。始業式と終業式が1回ずつ減っただけで、年間の授業日数は大差ないでしょ。』

「なるほど。そもそも3学期制は日本の気候風土に合わせて4月始まりを基準に夏休み、冬休みの期間を規則で定めたからなんですよね。」

『それなのに小学校の一部の教科書はずっと上下で区切られていますよ。』

「通知表では、短い3学期の評価の仕方は2通りに分かれているような現実がありますよね。」

『短いけど3学期に習ったことだけを評価する学校もあれば、最後の学期は教える内容も少ないから年間を見通して学年の評価をするという学校もあるみたい。』

「年2回の評価にすれば、通知表に注がれた事務的労力は軽減され、学習した内容を前半、後半で偏りなく評価していくことはできそうですよね。」

『もう一つ、学校の都合でかみ合わないものに時間割があります。指導要領の改定以来、学期ごと、もしくは前期後期で時間割を変えている学校が増えたかな。』

「要は年間35週で固定した時間割が組めなくなったといういきさつがあるんだ。」

『2学期制については、学校の計画の都合と長期の休みを挟むことで違和感なく割り切れるといいのですが、どっちつかずの様子伺いは避けられません。』

「9月に年度が始まるという改革も2学期制は後押ししそうな雰囲気があるんですが、どうでしょうかね。」

『季節感を無視すれば、何てことないのですが、抵抗勢力は多いでしょう。』

「卒業式がね・・・。」

『運動会や入学式の行方も気になるところかな。』

「日本固有の季節感と行事の絡みがあって、改革をすんなりと受け入れられない実情が渦巻いていますよね。」

『改革によってよくなるという理由がはっきりすれば変化のうねりは早いでしょう。』

「長年の実績があるのは大学教育ですよね。通年の講座もありますが、たいていは前期、後期で講座が完了し、評価されていますよね。」

『学習の中身で区切りをつけるのが一番分かりやすいですから、評価の期間としての区切りもすっきりしてる。』

「生徒指導上の問題や夏休みの意義についてはそんなに変わるものでもありませんよね。」

『運動会にいたっては、北海道の例がすっきりさせてくれそうです。秋にすると寒くて運動会どころではない。』

「結局、学習内容の区切り、評価の区切り、時間割の区切りから2学期制に整理すれば一番すっきりしそうだと思うんですが。」

『もう一つ行事の持ち方では、前例に追随しやすい先生方の意識を変えなくちゃ。新たに行事を創造するぐらいの気力がないといかん。』

「意識を変えるという視点では、評価の区切りも絡んでますよね。」

『ずっと単元構成で評価してきたものを学期ごとに総合評価していたんですから、確認はいるでしょう。』

「総合的な学習の時間の評価に似ていますね。」

『比較的長いスパンでどんな力がついてきたかをみる。これは、ほかの教科でも使えるはず。ということで、2学期制は評価システムの改革にも一役買いそうです。』