近未来予測

「2004年は"災"に象徴されたようで、不安材料が多すぎたと思いませんか?」

『台風、地震、子どもの殺人被害、自殺、今風のサギ、人員整理、失業、倒産・・・話題に事欠きませんよ。』

「良いこともたくさんあったのですが、未だかつて経験したことのないような事件が多すぎて圧倒されましたね。」

『冷静に考えたら、ある程度予測できたことも多いんですよ。例によって、煽られちゃってます。』

「異常気象というのは目新しい事実ではないですよね。平年、つまり、平均的な年より異なっているというのは結構これまでありましたからね。異変=地球温暖化なんていうすり込みもあるでしょう。」

『赤道直下の海水温の変動は監視されているのに、分析情報が不足していると感じませんでしたか?』

「確かに。地震は地殻変動のひずみというとらえ方だと思いますから、近い将来の予測はまだまだ難しいことです。突っ張りがいつはじけるかを予測するんですからね。」

『大ざっぱにひずみがたまってきたから、どこかで弾けるかもしれない・・・ぐらいのことは言えますよ。』

「洪水だって、半分は人災みたいなものだと思うんですが・・・。」

『保水能力が低下する造林と都市整備の結果だといいたいんですね。』

「はい。だって50年前の造林計画が破綻して、手入れしない人工林は、水源涵養の役目さえ果たさなくなってますよ。アスファルト舗装の道路の増大は、水を吸収しなくなると分かってぼちぼち高機能の水を吸収する方法が使われ出した程度ですからね。」

『要は先のことを考えなかった、というより、まずいことに対して軌道修正をかけるのが遅い。』

「国産材に対する保護政策は経済と環境への影響を考えて、今からでも修正をしていかないと、山は荒廃するでしょうね。」

『経済の先行き不透明感も、企業人は何をめざしているのかはっきり分かっているのに、隠れ蓑が多すぎますよ。』

「リストラでも失業でもない、単にドルに対する為替相場を出発点に戻すだけなんですね。ドルベースで給料を受け取っていたら謎がよく分かると思いますよ。」

『1ドル100円で30万の月給の人は3000ドル。1ドル150円になったら2000ドルでいいわけだ。ところが、常に3000ドルのままだと、45万も受け取ってしまう。誰が困るかよく考えてね。』

「今風の詐欺だってどこに金がだぶついているか、知ってて狙い撃ちしているんですから、あの手この手で攻めてきます。企業になくて庶民のタンス預金がだぶついている。動かないお札をもぎ取っていますよ。」

『子どもをターゲットにした殺人だって、起こるべくして起きてる。予測可能なところに原因があるんです。』

「名前は忘れましたが、インターネットの最大のマーケットはエログロサイトなんですってね。店頭販売、通信販売ではこんなにうまくいかない。」

『だから、大人になれない大人が増えるってわけか。仮想現実を実現したくなる愚かな人が増えてくるんだ。』

「著作権法じゃないけど、個人で楽しむだけなら問題ないのにね。」

『なんやかや、災いという前に近いところを見ていかないと抜け殻になっていくでしょうね。』

「この先、給料が下がらないと経済が成り立たないぞ。この先、仕事を選ぶときには自分の選択肢を狭めないことだ。この先、山仕事をしないと家が流されるぞ。」

『詐欺に引っかからないためには、家族に確認したり、家族に連絡を取ってから返事をするから連絡先を聞いたりしてワンクッションおくことです。子どもは無防備ですから、仕事をしていない人が付き添うしかない。』

「売り手より買い手の方が強い市場原理を知っておかないと負けるぞ。通信記録があちこちに残っていることを知っておかないと犯罪の誘惑に負けるぞ。」

『失敗を避難することは誰にでもできますよね。それよりも、起きてしまった事態を立て直す力がいるんですよ。恐る恐る生きるより、未来の近いところを見据えて、転けそうになる自分を助けるのみ。』

「転けることのない人はどうするの?」

『イメージトレーニングでいいですよ。自分がこうありたいと思う姿を描いてそれに向かえばいい。自分勝手や人に迷惑かけちゃいけませんよ。』