酸素税

「こう暑いと二酸化炭素の増加による地球温暖化がいよいよやってきたのではないかと不安が頭をかすめますね。」

『そりゃ、考え方がショートしていますよ。1℃、2℃の上昇が気温に加わったからって、以前より暑くなりましたとは言えないでしょうが。影響が一番大きいのは海水温ですって。』

「ですよね。とにもかくにも二酸化炭素の排出量を削減しないと不安が解消されないことだけは確かだ。」

『巷では実現が厳しいと言われたまま、ズルズル時間が経ってます。』

「そこで、おっとどっこい逆発想というのはいかがなもんでしょうか?酸素税ですよ。グリーン税とは違いますよ。」

『酸素税ねぇ。二酸化炭素を相殺するのは自然状態で酸素を製造するしかないと。』

「そのとおりです。二酸化炭素を大量に出すのなら、光合成による酸素製造に税をつぎ込むんです。」

『で、採算の見込みはあるんですか?』

「それが、わたしの頭脳では計算できません。」

『う〜ん。厄介な計算になるだろうなということぐらいしか想像できませんね。』

「まあ、不可能ではないと思いますよ。そこのところは専門家に任せるしかないでしょう。」

『化石燃料を大量に消費する以前は酸素と二酸化炭素のバランスがとれていた。たくさん燃やせば、二酸化炭素の消費が追いつかなくなる。理屈としては単純ですからね。』

「解決策は、燃やす量を減らすか、二酸化炭素の消費を増やすかの手立てしかないわけだ。」

『地球規模で燃やす量に応じて、緑を増やす事業に資金と労働力を提供するのが酸素税ということになるのかな。』

「まあ、そんなとこです。緑を増やすことで、二酸化炭素の増加を食い止められるのか謎ですけどね。火力発電所から運送業まで、ましてや自家用車に至るまで、地球規模で酸素税に参加です。」

『車を使っていない人は車の分はいらない。製鉄所がなければその分いらない。水力、風力、太陽光発電なら酸素税なし。う〜ん。昔の生活してたら酸素税いらなくなるんだ。』

「てなわけで、使う人、使う会社、使う国が負担するから、酸素消費の節減も少しはまじめに考えるでしょうね。」

『酸素税の使い道はどうするの?木を植えるのも一つの方法でしょうが、花作り、野菜作りでもいいんですよね。ゴルフ場も貢献できそうだし・・・。』

「砂漠の植樹でもいいし、砂漠農業もいい。ビルの屋上を緑化するんだって効果あり。草より木の方がいい。破壊された森林の再生をしてもいい。」

『忘れるところでしたが、動物が酸素を消費して二酸化炭素を排出する分だけは免税にして欲しいですね。まるで、人頭税みたいですから。』

「まさか、モグラくんやゴキブリくんに酸素税を納めさせるわけにはいきませんよ。」

『ですね。酸素製造者を酸素税は助ける。農業保護にもなって、めでたし、めでたし。となればいいんだが・・・。』