小出し
「出し惜しみかどうか、気になるのは気象情報の小出し。最近、テレビの天気予報がへんです。」
『観測情報が少なかった一昔前の方が簡潔明瞭って言いたいのかな?』
「そうなんですよ。気象情報が商業ベースにのったためかどうかは知りませんが、分かっているはずの観測情報が見たいときに出てこないと思いませんか?」
『レーダーアメダスとか、気象衛星による雲の動きとかは、テレビの天気予報でも最新情報と逐次変化を見せて欲しいところだと思いますね。』
「台風の接近時には特に知りたいところが抜きになって、大ざっぱな大荒れ予報だけが一人歩きをしていることが多いです。実況中継なんて危機感を煽るだけで、なんの役にも立たない。」
『荒れている様子を見せたがる野次馬根性みたいなものですよ。』
「本当に気になるのは土砂降りの雨の画面ではなく、この土砂降りが今後どのように移動していくのかが知りたい。雲の動きやレーダーアメダスの画面を追跡することで、素人でもある程度の予測がつくんですから。」
『なのにタイミングよく出てこないのが現実ですよね。』
「こうなったら、テレビの気象情報より、インターネット上の情報の方がありがたいってことになる。」
『たくさんの情報の中から、何を選んで知らせるかは送り手の意志が働くところです。それが、受けての必要感と一致しないことが増えたとも言えるかな?』
「でしょうね。マスメディアは大量の情報の一部分しか電波に乗せていないと受け手側が承知していれば、こんなものかと割り切れると思いますよ。」
『消費者というか、情報の受け手をつかむ戦略の中に小出しという方法は昔から使われてきたわけだ。でも、やっていいこととやっちゃいけないことがあるでしょうが。』
「娯楽ならお好きなようにどうぞ。でも、分かっていることを速やかに伝えるのがニュースなんだから、小出しはいけないです。」
『似たような話に、パソコンも罪多き販売戦略をやってますからね。』
「技術は日進月歩といいながら、一度に大きな変更をしない。」
『車にいたっては逆に変えることが少なくなったから、パッケージばっかり変えてる。』
「あなたの知りたい情報が流れていますか?という自問自答は常に頭の片隅に置いておきたいです。」
『いつの世も、一部分を知ることは容易く、全貌を知ることは極めて難しいものです。』