年金

「帳尻あわせの年金法案は、国会議員の未納、未加入期間の発覚で大騒ぎに。社会保険庁や議員さんに年金問題を任せておいてホントに大丈夫なんだろうかと不安になりますね。」

『20歳になったらみんな年金に加入するというあたりから、相互扶助といいながらもう税金と同じようなもの。保険税ですよ。』

「免除制度があるものの、収入がなくても取り立てるのですから、税金より厳しいじゃないですか。」

『加入率の低さ、納付金より、給付の方が増えたから保険料収入を増やしたいとはいえ、誤算ではすまされない問題がいっぱいあるんです。相互扶助の福祉年金だったのにね。』

「税金なら納めるべきものを納めないと、脱税で処罰されるところなのに、年金なら給付されませんよ、少なくなりますよというだけ。だから、保険なんですね。」

『でもね、損害保険や生命保険の世界では保険料収入より保険金の支払いが超過すると破綻ですよ。』

「じゃ何百兆円という不足がある年金は破綻してるといってもいいわけだ。」

『そのはずなのに、強制加入と給付減額をして、帳尻を合わせようとしているんです。年金制度がある限り、保険料収入があるから破綻とは言わない。相互扶助の福祉年金保険を続けるのは、日本の社会保障の原点ですから。』

「30年先を見越し物価や平均余命、運用益を予想して、収支を常に軌道修正をしなければならないという難しさがあるのに、それにしては読みが甘いんじゃないの。」

『医療保険、年金保険、介護保険と公的なものがありますが、保険料納付の優等生は介護保険なんですね。収入のあるところから確実に天引きしているんですから、未納は極端に減ります。普通に考えれば年金だって、確実に納付させる方式をとらないと納付と給付のバランスははじけないはずですよ。』

「赤字財政とおんなじですね。収入より支出の方が多いというのは常識を越えてます。」

『個人の納付額に応じた給付額の仕組みに変えなければ、納める方が納得と安心を得ることにならないでしょう。期間や運用益は抜きにして、納付額を変動させ、将来の保障を約束しなければ保険じゃないですよね。』

「それじゃ、まるで民間の年金みたいですけど、収入の多寡によらず、基礎年金の納付額が一律というのは謎です。だって、最低保障はみんなこれだけですと宣言しているわけでしょ。」

『そう。てなわけで、年金一元化案がくすぶっているんです。みんないっしょにすれば赤字財政の棒引きも軽くなると。あわせて、個人の年金保険料を履歴つきで把握することも考えている。給付資格が追跡しやすくなるとはいえ、個人情報には重要なデータが一式そろうという怖さもあります。』

「財政の立て直しの前に将来の保障をはっきりさせないと納得しがたいですよ。民間の年金保険ではなく、相互扶助の福祉年金保険なんですから。将来を保障して助け合いましょうというのが筋でしょうね。」

『誤算の原因は、終身雇用が変化し、高齢者人口が増加し、運用益が激減し、不景気で保険料収入が伸びず・・・と複合していますが、一番気になるのは、社会保険庁の実務者が修身雇用なんですよ。危機感が乏しいんじゃないかと・・・。』