選挙

「選挙のたびに変化を期待しながら、変化のなさにがっくりするのは何なのでしょうね。」

『そりゃぁ、選挙に対して三択があるから、おかしいのと違うかな。』

「三択ねぇ。候補者にしたって、政党にしたって三択どころか、選択肢が多すぎるんじゃないの?」

『でしょ。日本の選挙はね、イエスかノーの世界じゃないんですよ。もう一つ必ずどちらでもないというのが入っちゃうんです。』

「○か×なら簡単に決断できるのに、○でもない、いやいやそれどころか×でもない、どちらかというと選択肢にない△だという構図をいいたいのかな。」

『そうなんです。棄権票の本音ってどこにあると思います。』

「○がない、×もない、△しかない、従って託すものがないから、行かない、ってやつですよ。どうせ、勝ち目のない候補者に入れたって、世の中変わらないさ!利権にまみれた選挙じゃないかって、ことになるね。」

『そうして、○だけの投票が集まるから、利権人脈にとっては好都合なんですね。邪魔者は投票に参加しないんだから、投票前に結果が読めるというのもうなづけるでしょっ。』

「なんか名案ってないの。2大政党なんて、今の図式じゃとうてい無理ですよ。」

『いやいや、諸々の政党があったっていい。要は○か×かに無理矢理しちゃえばいいんだ。ほら、与党と野党、この2大政党でいいんじゃないの。政権を握っている党とそうでない党という受け止めをしないんですよ。利権を容認する党と容認しない党に分けるなんてどうかな。もっと選挙民に分かりやすいビジョンをつくってそのビジョンに政党がまぶれついていけば、○か×になっちゃう。』

「我が党は・・・なんて下手な約束を振りかざすからそっぽを向くのは確かですよね。」

『2大政党でやっている国は、政党の綱領を前面に出されると些細なことで意見が食い違ってしまうから、主権者の必要とする政策ビジョンで勝負してるんですよね。思想より施策なんです。』

「でもね、○か×かに選択肢が変わっても行かない選挙民は必ず出ますよ。」

『そうなったら、もう罰金しかないね。正当な理由なくして選挙に行かなかったら、主権者としての責任を果たしていないから、年間収入の1%を罰金として納めるなんてどうですか?』

「そりゃえらいこっちゃ。年収300万の人なら、3万円、年収なしの学生や専業主婦なら0円になるじゃないですか。」

『そんなことなら、簡単に制限できますよ。年収100万円以下の人は一律罰金1万円にしておけばいいんです。』

「なるほどね。どこやらの国では、交通違反の罰金がそんな仕組みだったような・・・。」

『どっちに転んでも、政権を取っている政党もそうでない政党も政権を前提にした主権者への政策保障をまとめさえすれば、2大政党はできちまう。いつまでも反対だけしていく政党がまずいというのではないですけど、棄権する選挙民を利用しちゃいけませんよ。』

「税金使って選挙しているわけだから、そりゃそうです。政策云々の前に選挙の仕組みを変える政策ビジョンで勝負していけると盛り上がるかもね。」