煽る
「車を運転していて、後ろから煽られると落ち着かないというか、不安になりますよね。」
『煽っている方は速くいけ、追い越させろというつもりなんだけど、煽られている方は意地になるでしょうね。ひょっとして急ブレーキかけたら、どないなることか。』
「やり過ごせばたいていはすむことなんですが、ゆっくり過ぎでないときはかちんとくるんです。」
『自分より速い車に追いつかれたら、進路を譲る。これが原則です。譲らないことで事故を誘発するなんてこともありますからね。』
「そうですね。それよりもマスコミの煽り行為は目に余るものがありますね。」
『えっ、なんかありましたっけ。』
「パナウェーブ研究所のメンバーの報道見ましたか?白装束、変、・・・。」
『事件性はほとんどないのに焚きつけちゃいました。煽りの典型です。よそに負けずと次から次へ同業者が煽られましたね。』
「10年前に見たとき、滞在地ではちょっとした話題になったものの、報道関係は見向きもしませんでしたよ。」
『たまちゃん騒ぎが発端とはいえ、何であんなものが報道ネタになるのか。』
「本当に重大なことがおきていても、話題性だけで煽られると車と同じことですよ。」
『だから、受け手はボーとしていちゃいかんのんです。だって、煽り行為の連鎖を断ち切れるのは、冷静な判断しかないですからね。』
「納得です。不幸の手紙しかり。チェーンメールしかり、コンピュータウィルスしかり。偽のはやりものは後を絶ちませんから、食い止める力は大きいですよ。」
『不安だと思って言いなりというか、鵜呑みにすると発信者の思うつぼ。生物ウィルスの恐怖だって同じです。死ぬんだって。薬が効かないんだって。そばに行っただけでうつるんだって。・・・かつて騒いだエイズ、今のサーズ騒ぎ。似ているところがありますね。』
「関係者は大変だけど、万全を期して対策をしている最新情報、効果がない方法、効果があった方法などが分かりやすく報道された試しはありませんよ。患者が増えたことや死者が増えたことばかり強調して、どうしたら安全なのかは隅に追いやられています。」
『車での煽りは意図的なもの、意図せずして結果的に煽っている場合に早く気づかないとね。』