温暖化

「日本に住んでると地球温暖化の危機感はほとんどないですね。」

『平均気温は確実に上昇しているとデータを突きつけられても、20年、30年の変化で0.?度ですから、えらいことになってきたぞなんて実感できませんよ。』

「それが海抜数メートルの珊瑚礁の小さな島では一大事になっているんですね。」

『陸が年々浸食されるのではなく、海面上昇で陸地が少なくなって、こりゃもう現実に危機が訪れています。』

「高潮になるといとも簡単に家が海水に浸かり、水没前に退去せざるをえないわけです。別に自業自得のあおりでもないのにですよ。」

『二酸化炭素を大量に排出している日本を含めての数か国が原因をつくっているのですが、フロンガスのときのような危機感はちっともないです。二酸化炭素が温室効果をもたらすのは否定しがたい事実なのです。』

「もとを正せば、酸素と二酸化炭素の需給バランスが崩れているわけで、二酸化炭素削減ではかけ声が乱れて前に進んでいませんね。」

『うちだけじゃないって、ずるい言い訳がまかり通って、経済活動に直結するだけに簡単にはいかないんだとわがままを通そうとするんですよ。』

「危機が目の前に表れるまで動こうとしないのは世の常で、一大事になってから対策を練り、実行してきたといったらいい過ぎでしょうか。」

『確かに我が身に問題が起きるまでは大丈夫といえるわけですから、まんざら深刻にならなくてもその場は交わせます。フロン騒動は我が身に降りかかると警告されたから、深刻な問題だったんです。』

「でも、大洪水、寒波、熱波など異常気象と騒がれている前兆もありますよね。」

『異常気象そのものは以前からあることで、平均的な年より大きく異なるだけでいいのですから、雨が少なかったからといって、即、地球温暖化のせいにはできません。』

「科学的に説明がつかない未来予測になるともう予言者の世界ですよ。例のノストラダムスの大予言が世紀末にもてはやされたじゃないですか。」

『島が水没することをよそ事ぐらいに考えて、どっかへ移住すれば解決できると考えて終わるのですから、呑気でしょうね。ニューヨークや東京が水没するまで他人事でほっかむりできますよ。』

「例えば、地道な観測として小惑星の動きを調べています。小惑星が地球に衝突する確率は、飛行機が墜落する確率より遙かに低いですけど、地球規模の問題ですから、一大事に備えているんですね。」

『アマチュアも参加して捜索を続けていますよね。何百年何千年に一度危機が訪れるかもしれないという予測でも他人事じゃないぞと考えたわけだ。ニアミスに近い事件はありましたね。』

「小惑星以上に因果関係の白黒がはっきりしており、温暖化はどうすればいいか分かっているのに重い腰を上げないのですから、罪深いです。」

『世の中危険はいっぱいあるけど、何もおこらなければいいじゃないかと脳天気を装っていることは多いかな。地震、核、ウィルス、化学汚染、遺伝子操作・・・闇の世界は「大丈夫ですよ!」で終わりにしていいのかねぇ。』