ペイオフ

「ペイオフの行方が変わってきそうですがどうしたのでしょうか?」

『小口預金者の保護というふれこみで金融不安をなくせるかどうかは不安ですよ。』

「超過分がご破算なら文句なしで残高補償もしやすいじゃないですか。」

『でしょっ!おっとどっこい大問題が発覚したんです。資産家だけが大口預金者ではないですよね。』

「企業も自治体もあるんだ。」

『日々動いている大金が当座預金だけとは限らないですから、ある日突然、億単位の金がご破算になったらいかがですか?』

「そりゃ、えらいことになりますよ。税金や売り上げが補償されないとなると共倒れです。」

『金融機関がひっくりかえっても混乱しないようにという対策は、足元をすくわれるわけです。』

「企業や自治体の大口だけを特別扱いにすると、多くの人は納得しないでしょうね。」

『ごもっとも。何とか回避策を出すべく、本格実施に待ったをかけてます。』

「それでも、刺激的な案ばかりですよね。」

『そうなんです。普通預金を全額保護することにして、ゼロ金利とはこれいかに。』

「ペイオフに備えて預け先分散の対策をとった人もいるでしょうが、無駄になるかもしれないですね。」

『預金者の間接投資でなく、直接投資することを誘導するような手にも見えますが、市場が不安定なだけにお金は動きにくいですよ。』

「国債も信用が落ち、株式も低迷、ドルだて預金の海外投資も金利低下で魅力的な投資商品が見あたらない・・・ないないづくしの現状ですわな。」

『投資のあてがない中、動きをなくした預金の山を帳消ししても、債務が減ったように見えるだけで景気のテコ入れにはならないと思いますよ。』

「預金も保険も間接投資の見返りとして、利息や配当金がありましたから金融商品といえますが、もはや預金は単なる預金、保険は保障のための保険ですよね。」

『ということで、文句なしに限りなく債務を帳消しするためのペイオフというわけです。』

「今や、お金は単なる紙切れで、等価交換の価値も持ち合わせていませんから、ペイオフが怖い人ほど利益を生み出すものに交換するしかないですね。」

『株券が配当を約束するものなら、もう少しはお金も集まりそうなんですが、値動きにあわせた売買対象の商品に成り下がっている間は期待できないです。』

「株価低迷の中でマンション転がし、先物取引のセールスがにぎやかしいのも怪しげな話でいっぱい。」

『そんな中で、笑いをぐっとこらえているのは消費者金融でしょうかね。』