おしゃれ
「茶髪、顔グロ、マニキュア、口鼻耳ピアス、厚底、キャミソール。男女を問わず、常識やぶりのにぎやかさは絶好調だね。」
『かつては大人のまねごとだったのに、アンタッチャブルの世界を崩してしまいました。』
「きれいに見せるなんてのは、企業戦略にのせられているだけ。時代のニーズに沿って画一的にあやつられていたんだよ。そこに気がついたかどうかはわからんけど、トレンディーなおしゃれに反発した結果だと思うな。」
『おしゃれにに対する価値観がずいぶん変わってしまいましたね。人目を引く手法はいかにも伝統的でございます。』
「ことの初めは魔よけ。特定の生業では仮面の代わり。いまや目立つことがかっこいい美しさなんだよ。」
『白い肌が美しい、目がぱっちりしているのが美しい、引き締まった唇が美しい、だれもが認めそうな美しさがいいと思い続けている人も多いでしょう。』
「圧倒的多数の黒髪保有者が黒髪に価値を見いだしていたのに、茶色や金色、果ては白色もいいと変化したことは誉めたいな。スキンヘッドだって違和感なくなってきて結構なことだよ。」
『そりゃ、はげてる、ちぢれてる、しらがといえばマイナスイメージだったのですから、いい変化だと思います。』
「美しく見せたいという願望と目立ちたいという願望を背負って熱心に努力しているなら、それでいいじゃない。人間の中身は変わらないときれい事を言っても、現実に価値を見いだそうとするのは、世間の常識を利用しているだけだよ。ステータスシンボルに取り憑かれている人間がいるおかげで営業が成り立っていたんだから、当たり前の現象じゃないの。」
『ジェンダーフリーの考えが尊重され、性の転倒も当たり前と言われ、みんながそうしているからと考えることが難しくなりました。』
「女性限定の服装、男性限定の服装も化粧や身だしなみと同じ運命だね。男性のスカート姿は変と言いながら、スコットランドの民族衣装は伝統だからおかしくないと言い張る根拠はないと思うよ。利己主義と個人主義をはき違えた人たちと議論する方が大事じゃないの。」
『おしゃれをしようと思ったら、自分自身がトータルコーディネーターになればいいんですよね。してみると一部の若者はしっかりしてることになりますね。』