少子化

「子どもの生まれる数がどんどん減っているんですね。」

『大家族というのは一世代も前のできごとです。世の中の動きは様変わりして、生めよ増やせよの時代ではなくなったんです。』

「50年前といえば、とにかく人手が必要だったわけだ。農業するにも機械がないから、頼みの綱は人手。戦争を仕掛けるにも人手。今時何で人手が必要になるのか理由が見つからないですよ。」

『家族の必要性は感じていても、大家族の必要性は全くないでしょう。なのにどうして少子化が進むことに危機感があるような話になると思いますか。』

「二人の子どもがいれば、現状維持ですが、1.3人ということは確実に人口が減るということですよね。減って困ることといえば、年金財政、医療保険の破綻がうかんでくるぐらいでしょうか。経済活動は人口の減少によって当然の痛みはでるでしょうが、市場原理を踏まえれば問題は回避できるはずですよね。」

『人口密度が減少して住み心地はよくなるかも。倒産の悲劇が増加することは避けられないでしょうが、人口に対応した経済を維持すれば大丈夫。逆に危機感をあおって戦争を仕掛けることは避けたいところです。』

「年金財政ってのはどうなんでしょう。少子化が原因のように触れ回っていますが、なんか納得できないですよね。多い高齢者を少ない若者の掛け金で払うと足りなくなるなんて、赤字覚悟の経営を説明しているだけで、何の見通しもなさそう。」

『収支予測が甘かった、方向転換が遅れたというほうが分かりやすいか。掛け金より多い年金受給を続けていたら、台所が火の車になるのは見え見えですもの。保険業界並の経営感覚がいると思いますよ。』

「少子化が進めば地方税の収入も減るなんてのはだれでも気づきそうなのに・・・。どんな税収を設定して、現状維持をするか、今から考えてシュミレーションしてほしいですね。」

『いやはや、もっと激しいのは、少子化の原因を結婚しない若者の増加につなげるなんてのは、若者に失礼です。』

「ごもっともで、子孫繁栄の夢を描けない世の中になっていることを心配してほしいですよ。フリータ−志望が増えたのも今の不安定な世相を感じ取っていたのかもしれません。」

『少子化の間接的な結果として過疎地域の高齢化、人口減少の問題は避けて通れないでしょうね。都市集中型の政策が続く限り止まらないみたいですよ。』

「人が集中してきたところにハコモノを増やしていけば、人口集中を加速させるわけだ。全体から見た便利ではなく、多数者の便利を優先しただけかな。」

『少子化を政策として行った中国は、何を考えていたか、興味深いですよ。家族構成を犠牲にしても進めた理由がなぞめいています。ですから、大胆な転換をおこさない限り出口は見えそうにないと思いますね。』