騙す

「正しくないことでも上司の命令には従って、進言できない組織はしんどいことでしょう。」

『金儲けのためなら、騙してもかまわないという発想が汚いですよ。』

「付加価値が低いものを商標や履歴でだまして金儲けできるということは、騙すほうが悪いというだけではすまないです。騙されない情報が秘密になっているということが問題ですね。」

『氷山の一角という噂も信憑性がありそうだけど、どう?』

「疑わしきは罰せずですか。?」

『米なんか謎です。有名銘柄の空き袋に詰め替えて稼いだのはかつてばれちゃいましたね。現実に古米を10%前後混ぜられても分からないし、優良品種に価格の低い品種を少しだけ混ぜられても分かりませんよ。』

「ブランド品の偽物なんかは大仕掛けじゃないですか。ぐるになった業者がよってたかって製造し、流通させるんですからね。」

『有機無農薬、減農薬の農産物だって生産している当事者しか分からない。現場確認した第三者が証明してるわけじゃないですからね。』

「そりゃあそうです。今年から無農薬に切り替えましたと宣言しても、それまでの土壌に残留したものやお隣さんから舞い込んでくる農薬については、生産者さえも分かってないでしょう。」

『製造ラインで工業的に作っているものでも、大量生産しているものは一つずつていねいに検査しているわけじゃないですからね。』

「一定間隔で抜き取って、一つが大丈夫だったら、あとはみな大丈夫に違いないっていう考え方ですよね。」

『万一不良品がございましたら、新しいものとお取り替えいたします・・・これで、騙してませんと言い張るんですね。』

「自動車なんかちょっとやそっとのことでは、新しいものと取りかえませんよ。」

『薬の世界もあやしいものが漂ってますよね。』

「ほじくり出せば、あるわあるわってことになるでしょう。」

『先物取引、ねずみ講、催眠商法、だきあわせ販売、目玉商品、欠陥住宅・・・いっぱいありすぎですわ。』

「金メッキの時計をメッキだからこの相場です。18金ならこれぐらい、24金ならこれぐらいの相場が普通です。見かけは金に見えるからお買い得ですよ・・・と説明があれば納得できることなんだけどなぁ。」

『ところがどっこい、金メッキを金無垢だと騙す輩には、化けの皮をはがす方法を知っていなければ太刀打ちできないんですね。重さを量ったり、比重を求めたり、製造者の鑑定書を要求したりして、見る目を養うしかない。つまり、知ることができないから騙せるという単純明快な理屈なんです。』