暑い

「毎年、夏は暑い暑いといってますよね。地球温暖化なんてことないでしょうね。」

『いくらわめいてみたって夏は暑いに決まってるじゃないか。夏に雪が降ったらそれこそたいへんな異常気象だよ。』

「いやいや、年々暑さが厳しくなっているのは、気のせいじゃないと思うんだけどどうなのさ。」

『地球温暖化を心配する前に、何で暑さがひどくなってるかわかってんのかねぇ。』

「昔なくって、今あるもの・・・?まず、クーラーでしょ。・・・それから、アスファルト。・・・あと、コンクリートの壁。こんなもんですか。」

『それだけ思いつきゃー上等だよ。ヒートアイランド現象って言葉知らなくったって、見当つくとこがかしこいね。』

「車でも部屋でもクーラー効いてると涼しいもんね。でも、冷やしたエネルギーは外を暖房しているわけだ。」

『クーラーがなかったころは、水まいたり、扇風機で我慢したり、アイスをしゃぶって暑さをしのいだんだよ。』

「それが今じゃ通用しないのはどうしてなのさ。」

『アスファルト舗装とコンクリートに囲まれた建物が多くなって、クーラーがないと我慢できなくなったってわけさ。』

「そういやー、20年前は車も電車も窓開けて走ってたんだ。」

『快適な生活を求めているうちに、夏を涼しく過ごす空間をなくしちゃったんだ。』

「汗の出る穴が少なくなった人もいるそうだから、人工的に北方民族が作られてるって裏話もあるくらい。」

『そこまでいったら病気だ。暑さ寒さに耐えられるよう鍛えなくっちゃ。・・・といいつつクーラーの涼しさにすがる弱さ。』

「暑さの異変といえばもう一つ。都市部の局地的な激しい雷雨が増えてますよね。」

『そいつはヒートアイランド現象の典型的なやつだね。人工的に積乱雲できちゃったってわけ。』