ストレス
「なんでか、ストレスがたまりやすくなったのは年のせいなんでしょうか?」
『ばかいっちゃいけないよ。年のせいでストレスがたまりやすくなるわけないですよ。』
「なんかねぇ。人間関係作るのにすごい労力を費やしているような気がして、それは年のせいだと思っちゃうんですね。」
『気楽に思ったことを話さないからストレスがたまるというのは間違いないでしょう。子どもだってね、自分の思いをストレートに言えない子どもはストレスためているんだよね。』
「そんなもんですか。自己主張ができなかったり、我慢していたりするという場面は増えているんですよね。当たり障りのないように控えてばかりじゃないんだけど、少々いってもへともないという人が増えていると思いませんか?」
『いい子ぶったり、ものわかりのいい素直な子を演じたりというのは前々から多かったのですが、どうも今の様子はちがうなぁ。大人も子どもも人との関係を作るときに信頼という価値観より、依存し合うことを求めているようで気になりますね。』
「そうなんです。持ちつ持たれつといっておきながら、常にいいとこどりばかりして、ちっとも相手の思いに応えない人が多いと思います。」
『だから、打算的に人を利用してもへとも思わない自己中心的な人に振り回されているんですよ。』
「関係を断ち切れば、ストレスの原因は減るんだけど、断ち切れないときは悲惨ですよ。ほんまに、あほらしさの残るストレスです。」
『知的水準が上がったというより、知識量が増えて単純にずるがしこくなっただけなんかな。知性を認め合うような人間関係は希薄かもね。』
「気配りとか、気遣いというのは、高尚な人間関係づくりの技能だったような気がするようになってしまいました。今はもうお人好しの世界になってる。」
『ひっくり返して見るとお互いに尊敬し合える人が少なくなったということでしょうかね。価値観が多様になったと情勢を分析しておきながら、実は自分勝手な人が単純に増えただけといっても話が合いますよね。』
「何が値打ちのあることなのか共通の価値観が話題にならないとどこまで理解し合えたのか不安になり、結局気にするから、ストレスの元になっちゃう。」
『大人も子どもももっともっと本音で渡り合うように努力しないといけないんですよね。きれい事だけですましちゃうから、腹の立つことも増えるんです。』