増税不要論

「税を集めて再び配分する是非から考え直す意見がありますが。」

『無駄がなくなるという点では優れた発想ですね。』

「公共事業や年金給付の予算がなくなるんじゃないですか?」

『廃止ではなく,大幅縮減と言うことですね。』

「所得税を廃止して,その分給料を手取り額にするようなものですか?」

『その代わりに消費税は維持すると公平性は保てますね。』

「二重税制も解消できますか?」

『税に税をかける不均衡と取れるだけ取ってやろうとする意図はなくなりますね。』

「法人税関係は現状維持になりますか?」

『利益に対して税をかけるのではなく,酸素を消費したか生産したかに換算して生産側に支払うことで帳尻あわせをすれば効果的ですね。』

「化石燃料を使う会社,火力発電の電力を使う会社が農林業に支払うということでしょうか?」

『全ての農林業ではなく,酸素を生産したところに配分ですね。』

「漁業が漏れていませんか?」

『海水の酸素生産量に見合った額を配分すれば解決しますね。』

「でも,温室で電気や重油を大量に使う農業生産は恩恵がないことになりますが。」

『貢献できない分野ですから切り捨てですね。』

「こんなことしてよい点はあるんですか?」

『一番大きな成果は税を集め再配分する事務量が大幅に減り,人件費も削減できます。』

「それだけですか?」

『次に大きいのは税の捕捉率を気にせず,再配分の権力争いを縮減できます。』

「抵抗勢力が大きすぎませんか?」

『かなり嫌でしょうね。』

「公共事業は税が財源ですか?」

『こればかりは致し方ないですね。でも,儲かっている企業が公共事業に寄付をして恩恵を与えることも可能かな。』

「それでは癒着がおこりませんか?」

『お金の流れに透明性をだす企てはいるでしょうね。』

「庶民にとって,見やすい税は納得もしやすいと思いますが。」

『先ほど出た,車,酒,たばこは税にまみれず,一つにすればいいことです。車なんぞ目的税のほうが似合っていますね。』

「当然,消費税除外品目ですか?」

『酒以外は白黒つけやすいでしょうね。』

「酒税は廃止できませんか?」

『これまた抵抗勢力が堅持するでしょうね。』

「ところで、国債という借金を借金と認識しない理由は何ですか?」

『借金というとらえ方ではなく長期の資産保証金なんですね。』

「信用失墜したら元も子もないという世界ですか?」

『資産を預けていた銀行が破綻するのと一緒で全額補償しないでしょうね。』

「もう一つ気になるのは利益を上げすぎているごくごく一部の企業や資産家の問題はどうですか?」

『桁違いの額が動きますから,捕捉も厄介,利益の桁も大きいんですね。』

「応分の負担も利益から見ると小さいかな。」

『税で委託せず,自ら社会貢献事業につぎ込んで欲しいですね。』

「それはともかく,使い方を変えないと集め方まで実現しないと思うのですが。」

『使うほうに権限があって,納めるほうは口が出せないところから変えないといけないですね。』

「口を出す代弁者は打ち切るための展望を示し,法的に拘束できる仕組みがいると思うのですが。」

『抜本的な制度改革に着手しない限り,小手先では出入りの無駄は削れないでしょうね。』

「収入が減れば倹約しか手段のない家庭は痛み分けしますが。」

『痛みを感じないとすれば,削っても問題はないはずなんですね。』

「当たり前の感覚が鈍っていませんか?」

『安易にだれでもできることをやっていたらやがては行き詰まるでしょう。』