セシウム137
「危ないだろうと言われても安心できる科学的な根拠が示されないですね。」
『翻せば,何を根拠に危ないと指摘できるのか,科学的に説明できないでしょう。』
「人工的に作られた見えない放射性物質に不安や恐怖があっても程度がつかめないから,もはや勘の世界ですね。」
『裏を返せば,絶対安全ですとは言えないですから。』
「セシウム137だけを回収する方法はないですよね。」
『そんな都合のいい道具はないですから,かき集めてベータ崩壊が終了するまで寝かせておくしかないです。』
「物理的にため込む場所を確保できるでしょうか。」
『これまた難問。ひっくり返して埋めるような策が出てきそう。』
「いずれにしても年間被曝量の許容範囲に収まるかどうか。」
『こればかりは科学的に積算線量計を各自が持つしか名案は無し。』
「医療従事者,研究者は放射線管理区域でやっていることですよね。」
『関係する人全てに渡すことが科学的根拠となる唯一の方法なんです。』
「実現していないですね。数字だけが歩き回って,自分がどれだけ被爆しているか自分で知ることができないのがおかしい。」
『高額ですから。』
「命の保証は被害補償以前の問題だと思いますね。」
『何とかなりますように。土はひっくり返ってもこれからどんどん出てくる焼却灰や下水汚泥も処分場確保が必要です。』
「さらには動植物の取り込みも策が必要ですね。」
『ヒマワリが取り込むという話も不明。それよりも草刈りをして焼却した場合どれぐらい回収できるか。実際に試験測定をしているかさえ不明。』
「科学的に白黒つくものを先送りして,無難な対応をすることで後味の悪い封じ込めも続きますね」
『松の木,花火,物産展の商品など,食品と同様に網をかけていかないと科学的に根拠のない,いちゃもんがまかり通ってしまいますよ。』
「安全と安心をめざそうという方向がばらばらにならないように情報を制御する力も乏しいですからね。」
『科学技術や情報が進歩しても使いこなせていない状態があるとしたら,進歩とは言えないでしょう。』
「伝染病が解明されていなかった時代と変わらないことが現実に起きているんですね。」
『ちょっと違うのは,道具と知識があれば素人でも判断できることです。』
「広島,長崎から65年が経過し,当時の放射性物質がどうなったか理解できる情報があっても生かされないんですね。」
『チェルノブイリはまだ25年ですよ。』
「今のところ無害にする方法は待つしかないことも分かっているんですね。」
『何よりも急がないといけないのは,一部の人しか身につけていない積算線量計を工面しないと人への対策は身動き取れないと思いますよ。』
「補償には損害の証明が避けられない,これまたよく分かっていることですからね。」
『証明できないから隠すという考え方は,多くの差別で経験してきたことです。』
「内部障害を説明できても証明できない人たちが差別や偏見によって苦しむのと同じですね。」
『セシウム137をネタにすれば恐怖心を煽れる,排除できることだけを知っている人が一番情けない。』
「治安がよい,冷静で粘り強い一面だけが偶然に報道されたものの,実際はどうなんでしょうね。」
『人権侵害の問題とあわせて略奪はなかったのか気になるところです。』
「見えないものを見えるようにする,危険の物差しをだれにでも分かるようにする,それから生活再建だと思うんですけどね。」
『兎にも角にも,セシウム137がなぜ放出されてしまったかを原点にして,伝えていかないと有耶無耶の風化が始まるでしょう。』