I.T.
「I.T.情報技術革命に突っ走るんだといって巷のかけ声は騒々しいじゃないですか?」
『情報通信を何でもかんでもデジタルにしてネットワークでつなごうというのは結構な話のようで、大丈夫かなとも心配するよ。』
「出歩かなくても情報や物やお金を動かせるんだから、便利になると考えるのはおかしいのですか?」
『いくつか心配を出してみよう。秘密がどこまで守られて、自分で防衛できるか解決していません。』
「ということは、口座番号を盗まれたり、他人のパソコンに侵入されたりすることがあるというわけ?」
『暗号化された通信だから、番号やパスワードは大丈夫ですといっても、その暗号を解読されたらおしまいです。』
「二重に鍵をかけたり、パスワードをころころ変えたりするなんて、結局面倒くさいことに変わりなしか。まあ、家でも厳重にしていても泥棒に入られるときはあっけないもんな。」
『つぎは、独占企業と回線の問題が解決していません。』
「各社安売り合戦をしていて、値下がりしているから、これまた結構なことじゃないですか?」
『おっとどっこい、残念ながら全国一律に同じ品質の通信回線が提供されるまでにはかなりの時間がかかるでしょうね。情報化に取り残される地域があるんです。テレビや携帯電話だって最初は使えない地域がいっぱいあったでしょう。あれと同じです。今もつながらない地域がありますよね。』
「そういうことか。光通信なんて採算のとれるところまでなんだろうね。」
『最大のネックは市内通話のサービスは2社に任せられています。電話やファクスはデジタル信号とアナログ信号が混在していますから、やがて1本化されていくと、テレビと同じように受益者負担が避けられません。』
「音楽はだいぶネットにのっかっているけど、ビデオはまだまだでしょうね。」
『今の通信速度なら、ビデオ1本を1日がかりでダウンロードなんてことになりますからだれもその気にならないでしょう。公共下水道といっしょで不公平をならしながら、たくさんのお金をつぎ込んでぼちぼち浸透していくI..T.革命でしょうね。』