生涯勉強
「老若男女を問わず勉強し続けることの大切さはひしひしと感じますね。」
『知らなくても生きていくことはできますよ。』
「いやいや。物を持たなければ生きていくことはできますけどね。」
『勉強して利用すれば得する世の中,意志強固を貫くのは孤軍奮闘に近いですよ。』
「初めて自動改札を通る人の困惑は大きなストレスでしたからね。」
『入れたものを取るだけの動作なんですが,経験していないとまさかの出来事がありました。切符を取らない,切符が後戻りして通れない,人の流れは早く行けと迫る,おろおろですよ。』
「現金自動受払機初体験も困惑のストレスでしたね。」
『暗証番号間違えて操作不能,ページを間違えて記帳不能,現金を取り残したらどうなるのか,次の人が控えているともう気が気じゃないですよ。』
「セルフガソリンスタンドも慣れるまではストレスかかりますね。」
『機械に合わせて手順を体験学習するしかないんですよ。』
「そうですね。安くなるから切替えるという人と対面しているほうが安心だという人に分かれていますね。」
『結局人のサービスにお金がかかっていることがよく分かるんですよ。自動改札は会社の都合かな。』
「要は,便利とリスクを生涯勉強していかないと過ちを犯す確率が高くなりますね。」
『現金自動受払機が詐欺に使えるというあたりはその典型ですな。』
「携帯端末の知識があるかないかも同じことですね。」
『勉強不足がカンニング事件になるし,勉強しすぎが詐欺事件にもなる世界ですよ。』
「笑い話みたいな質問が実際にあるんですね。」
『ほほう。』
「IPアドレスを秘密にしてインターネットに参加できますかという質問なんです。」
『できるけど,悪意が潜んでますな。もちろん絶対ばれないという意味は含まないですよ。普通そこまでしないだけ。』
「電話でもインターネットでも接続するということは相互に番号やアドレスを識別しているんですね。」
『代理の接続先を使うと分かりにくいというだけで,秘密ではなくあからさまにつながってますよ。』
「電話の場合,非通知という機能の意味が理解できていない。利用者に見えないだけで,回線接続を請け負っているコンピュータは知っていますね。」
『仕組みを理解している人は,攻撃されたくないから秘密にしたいという方法はとらないですよ。』
「きちんと勉強して,やってもばれることを知っておけば悪意は働きにくいはずですね。」
『携帯パソコンを無線LANで使うのと携帯端末とでは,ばれにくさが違うはず。というのも使用者を識別する情報のありかが,端末本体にあるのが後者,接続業者にあるのが前者かな。携帯端末のほうが識別が容易ということになる。』
「とにもかくにも知っていればやめていたのではというようなことが多すぎますね。」
『まさか,削除したデータが復元できるとは…。知識がない人にとってはまさかなんですな。』
「行き着くところは,拳銃の是非を論議するのと同じところでしょうか。」
『安易に流されるのも危険。無関心を装うのも危険。新たな知識を得て判断材料を持つのが一番ですよ。』
「ですね。使うのは意思を持った人間ですからね。」
『人のせい,物のせいにしたら一巻の終わりですな。』