「納めるより取られるという受け止め方が強いですね。」

『納税の義務と書かれていても、徴収と信じていますよ。』

「そもそも税は支配者の都合で徴収していたんですね。」

『支配権を維持するための重要な要素ですから、上手に従わせながら搾り取るんですよ。』

「民主主義が浸透していく中で社会的な負担として税が位置づけられるなら、納める理由も分かりやすいはずですね。」

『例えば、道路を整備するために税がいるから、車を使っている人、車を持っている人、燃料を使っている人に負担してくださいというようなことですよ。』

「医療や介護は2本立ての負担で、税の投入と保険料負担になっていますね。」

『道路整備にしても医療にしても利用する側だけの問題ではなく、提供する側の利益誘導が大きいいんですよ。』

「元を正せば、税を納めて行政に委託しているという発想がないですね。」

『だから、税としてかき集めた財源が食い物にされているんですよ。』

「資金運用会社みたいな契約ならまともでしょうが、マルチ商法まがいの運用ですね。」

『空港整備なんて典型的なマルチ商法ですよ。必要としている賛同者を集めて、みんな作ってほしいと言っているという一部の声だけで進んだと思いますよ。』

「民が分かりやすいように目的税ばっかりにして運用すれば説得力があるでしょうね。」

『為政者にとっての目的税だから不信感が増大したんですよ。』

「一部で食い物にされた補助金を減らし、逆に手当をばらまくなんていうのは馬鹿にしてますね。」

『お金がぐるぐる回っているだけで、事務費の無駄ですよ。』

「消費税だって、広く召し上げるための税になっているから負担感が大きくなるんですね。」

『いっそのこと年金福祉税にしてしまえばいいんですよ。』

「そこまで踏み込むなら、所得税だって変です。所得のある人から応分の税を召し上げているわけですよね。」

『公務員は税金から給与が払われ、その中から税金が引かれるという金の流れは無頓着になりやすいと思いますよ。』

「例えば、公共福祉税として応分の負担を納めてくださいということになれば、財源をつまみ食いすることに罪悪感を持つでしょうね。」

『名前を変えるだけで,一括して歳入の使い道を考えられたら元も子もないですよ。』

「歳入を増やすために取れるところから取るという考えは二重の税もふやしましたね。」

『専制君主や独裁者が台頭した時代なら搾取は常套手段でしたが,民主主義の成熟とともに富の配分は地ならしが続いているんですよ。』

「そもそも自分が年間に一体いくらの税金を払っているのか把握していないですからね。」

『買い物をすれば消費税。宴会をすれば飲食税に酒税,店のもうけは所得税。たばこを吸えばたばこ税。車を走らせれば自動車税,重量税,ガソリン税…。税にまみれていますよ。』

「生まれてこの方,何の了解もなくとられ続ける税は,とられたとしか言いようがないでしょうね。」

『だから選挙前に税金を話題にするとしっぺ返しが大きい。』

「成り行きからして味方にはならない話題ですね。」

『税を払うだけの営みが保証されているなら話は早いでしょうが,所得の低い人にとっては怒りしか出てこないですよ。』

「税が国を支えているという実感は,個人の経済的な安定感があればこそでしょうね。」