課題発見の道「炭焼き体験」

 なぜ炭を焼くのかという動機になるものは、身近に材料があるということが前提になります。竹や木があればいいわけで、何も雑木が多い山を想定することはありません。校庭に植栽があれば枝打ちした木を利用することも可能です。方法も穴を掘るだけのものから、ドラム缶を使ったり、本格的な窯をついたりバラエティーに富んでいます。
 問題を投げかけるきっかけは、6年生理科の発展や化石燃料の多用によって使われていない資源があることに目を向けることで可能になります。昭和30年代ぐらいまでは炭は保存性があり、薪よりも軽量であることから大量に使われていましたが、化石燃料の登場であっという間に衰退してしまいました。
「石油やガスにない炭のよさは何だろうか。」
「どんな方法で簡単に炭が作れるのだろうか。」

 子どもたちの生活体験の中で炭は、バーベキューをするときに使うものというぐらいの知識があればいいほうでしょう。防虫効果や脱臭材料として裏方で活躍していることは知らせなければ発見できないかもしれません。意外な提示方法としては、電気を起こして見せるということもできます。
・燃料としての炭に適した材料にはどんなものがあるか。
・炭を焼くときにでる煙は何かに使えないのだろうか。
・炭は虫をよせつけない効果があるというけどほんとうだろうか。
・炭焼きは日本だけで行われているのだろうか。
・火を消したときの炭と炭焼きをした炭とはどこが違うのだろうか。
・炭は燃料以外に利用されているのだろうか。
・どうして炭焼きをしなくなっったのだろうか。
・炭でご飯は炊けるのだろうか。
 化石燃料がある限りは炭が主役になることはないと考えられますが、豊富にある資源を有効に使ったり、燃料以外のよさを見いだしたりすることで炭は生活の中に密着していくでしょう。
○自分たちでつくった炭を使って何ができるか。
炭は生活の中でどのように活用できるか。
○化石燃料がなくなっても生活はできるか。
 かつて電球を開発するのにエジソンは日本産の竹炭を求めて、耐久性のあるフィラメントを作り出すことに成功したという話が残っています。何にどう使えるかは、まだまだ謎の部分があるでしょう。