課題発見の道「ゴミ対決」

 ゴミについては、これまで出てしまったものをどうするかという発想が多かったと思います。リサイクルやリユース、そして分別に関心が集まっていました。そして、分別のためのマークをつけることでゴミ対策を消費者に任せてしまうことも多くなりました。
 ごみの減量をどうするかという視点は相手が大きすぎて、遠ざかっていたことではないでしょうか。ゴミのゆくえは中学年の社会科で扱うことになりますが、ゴミになる前を追求したり、自前でいかにゴミが処分できるかを追求したりすることも発展的に考えつく学習になります。
「ゴミまで買ってしまっているものがあるでしょうか。」
「自分たちでゴミを処分する方法はあるでしょうか。」
「ゴミをたくさん出さない暮らしの方法はあるでしょうか。」
 祖父母の子供時代の買い物を聞き取る方法があります。あるいはむだな包装をしている商品を探す方法もあります。ごみの処分は土に返すことのできる生ゴミ処理が一番見つけやすい方法でしょう。ゴミを出さない暮らしは「使い捨て」を見直すことでたどり着けると考えられます。
・お土産や贈り物はどうして簡易包装をしないのだろうか。
・クッション材を発泡スチロールから紙に変えたのはどうしてだろう。
・中身だけ欲しいのにどうして使い切り容器に入れて売るのだろうか。
・生ゴミは土になるまでにどれくらいの時間がかかるのだろうか。
・生ゴミが分解するのを助ける生き物にはどんなものがいるのだろうか。
・落ち葉から腐葉土を作って花づくりに使えないだろうか。
・ゴミを減らすにはどうしたらいいのだろうか。
・分別された資源ゴミはどの程度再生されているのだろうか。
・ゴミを減らす工夫をしている会社はあるのだろうか。
 ドイツやイギリスではどこでも分別が徹底しているような情報が多い中、隅々まで分別の考えが完全に浸透していないという話も聞きます。何よりも、身近な実生活の中で実証していける自分自身の課題を子どもたちがつかみ、継続的に取り組むことが可能な素材だと思います。
○生ゴミはどうしたら早く土に返すことができるか。
○ゴミを減らすにはどんな方法があるか。
○買い物の時にゴミを減らすにはどうしたらよいか。
 狭い範囲での地道な取り組みはネット上にもたくさん紹介されていますから、方法を調べるための方法は先生がきちんと教えて提供することになるでしょう。