課題発見の道「川を探検」

 近くに川がない学校は少ないだろうという先入観で描いていきます。川へのアプローチは、中学年の理科、社会科がきっかけを提供することが多くなります。しかし、きっかけは他にも作ることができます。コップ一杯の水から、
 「この水はどのようにしてここまでやってきたでしょうか?」
と投げかけることで、水源や川の様子を探検してみたいと刺激することはそんなに難しいことではないでしょう。清流、どぶ川、下水代わりの川、コンクリートで護岸がかためられた川、石組みの自然護岸が残る川、草が生い茂った川など様々な形態がありますから、いっぱひとからげに問題点を見いだせないかもしれません。しかしながら、川の水は、生活に欠かせないものです。避けて通れない問題から、個々の課題に結びつく可能性も大きいと考えられます。
・空き缶やビニル袋などのごみはだれが捨てるんだろう。
・魚だけでなくどんな生き物が見つかるだろうか。
・お父さんやお母さんが子どものころ、この川はどんな様子だったのだろうか。
・上流のほうが水はきれいなんだろうか。
・どこからこの水は流れてきたんだろうか。
・水の汚れはどんな方法で調べたらいいのだろうか。
・汚れた水をきれいにしているのはなんだろうか。
・川の水を汚さない方法ってあるのだろうか。
・洗剤の混じった水がきれいになるまでにどれくらいの時間がかかるのだろうか。
 現実の社会問題として、水を守る、清流を守る、メダカやホタルが住める川にする、生活排水を改善する、雨水を活用するなどの住民グループの活動はあちこちで行われています。子どもたちにとって取り組むことが可能な課題にたどりつくことはたくさん見つかります。
○ほんとうに水が川を流れていく間にきれいになるのだろうか。
○ホタルやメダカを増やすことができるだろうか。
○水を大切に使う方法あるのだろうか。
○川がゴミ箱にならないようにするにはどんなことをしたらいいだろうか。
○生き物の種類と水の汚れは関係があるのだろうか。
 良質の水源が豊かな日本だからこそ、ペットボトルの水に頼らず、安心して飲める水をどのように守っていくかという取り組みが大切になります。一方では、治水という問題にも必ずぶつかります。安心して生活できるという部分には、災害を防ぐにはどんなことがされているかという問題も関係してきます。