課題発見の道「お茶づくり体験」

 入り口となるのは、日常生活で接している飲み物としてのお茶に目を向けることになります。小学校6年の歴史学習から発展していくことも考えられます。次に体験としてのお茶づくりは、「お茶」と定義される範囲に限定して材料を調達しようとすると難しくなります。お茶の木というのはどこにでもある身近な素材ではありません。ところが、産地では簡単に手にはいるでしょうし、校地内に栽培されている場合もあるでしょう。どこでも体験できるという条件を満たすために入り口を広げる方法が考えられます。
 「どんなお茶を飲んだことがありますか。」
 「自分で原料を集めたり、作れるものはありますか。」
一杯のお茶を味わいながら、自分たちで作れるものはないだろうかと、調べ学習を展開していきます。
・麦茶は簡単にできそうだけど、麦は手にはいるだろうか。
・ウーロン茶は日本茶と同じ材料だったのか。作り方は難しそう。
・健康茶の材料は探しやすいな。はと麦を植えてみようか。
・番茶は簡単に作れそうだから、お茶の木を探そう。
・外国の人にどんなお茶を飲んでいるかききたいな。
・ハーブを育ててお茶にしたいな。
・お茶にはどんなはたらきがあるのだろうか。
・薬になるお茶をもっと調べてみたいな。
・日本茶は同じ原料で作り方がいろいろあるからまとめてみよう。
・全国の茶どころを調べていきたいな。
・コーヒーが好きだから、どんな産地や歴史があるか調べてみたいな。
・ティーバッグってだれが考えたんだろう。
・お茶と水はなんか関係があるのかな。
 興味の持てる材料をできるだけ広げて考え出すことが鍵となります。そこから、一人ひとりがちがった材料で追求しながら、共通の接点を見いだしていくことで大きな問題が見えてきます。
○人は、どうしてお茶を飲むようになったのか。
○水よりもお茶を飲むほうがいいのだろうか。
○生活の知恵としてお茶があるのか、長生きを願ってお茶があるのか。
○お茶が生み出した文化ってなんだろう。
 まずい水をおいしく飲みたいという知恵も見つかります。病気を何とかしたいと願って探し出した材料も見つかるでしょう。心の安らぎを求めてお茶を楽しむ値打ちも見つかるでしょう。お茶を味わう器や道具も見つかるでしょう。生活に密着しているお茶が生活に果たしている役割を学んでいくことで、健康や食、伝統産業へつながっていくと思います。