総合的な学習の発問「エネルギー・環境」
 発問を考えるとき、否定的に文章を組み立てるか、肯定的に組み立てるかで、子どもたちの反応はちがってきます。否定的な場合は、少なからず危機感をあおるようになります。どんなことに困るか考えてごらんなさいと要求することになります。逆に肯定的な場合は、ありがたみを感じていないだろうけど、あらためて役に立っていることを見つけなさいと要求しています。例えば、
 「もし○○がなくなったらどうなりますか。」
石油、水、電気、ガス、空気、太陽・・・などが当てはまっていきますが、これらの投げかけに対しては派生した追求が必要になります。
 「・・・私たちはくらしていけますか。」
 「・・・私たちにどんなことができるでしょうか。」
 「・・・もしものことを考えてどんな研究がされているでしょうか。」
架空の投げかけにしないためには、ない状況を設定して体験的に考えることになります。ただ、空気をなくすことは困難かつ危険ですから避けたほうがよさそうです。
 では、肯定的な場合はどうなるでしょうか。
 「日々のくらしになくてはならない○○を自分で作ることはできますか。」
 「○○は安心して口にしたり、使ったりできますか。」
 「○○はおいしいと思いますか。」
 「あなたにとって、100年前のくらしのよさと今のくらしのよさは何ですか。」
肯定的な発問に対する肯定的な子どもの考えに対しては、「本当にそう思いますか。」というだめ押しが常に必要となります。よいと思っていても、問題点が潜んでいるのだから、問題を探し当てたり、見いだしたりするつっこみがないと途切れてしまいます。
 エネルギーや環境のカテゴリーは、社会問題として現に論議されていることを知っているかどうかです。一面的でない解決方法を検証して、実践化する筋道が展開されることを期待します。そのためには、どんなことが社会問題になっており、どんなことが個人個人の生き方に要求されているのかを先生自らが把握してほしいと思います。別の見方をすると、理科・社会科の学習を発展させて構成するならば発問も考えやすいでしょう。
 行き着くところは
「あなたたちが住んでいるこの町は本当に住みやすい町でしょうか。」
という生活に密着したところで子どもたちが問題を見つけて解決していくことを期待するようになります。?で考えた方法からもアプローチできるということです。