実践事例を見る(50)
 「総合的な学習らんど」のWEB上に紹介している学校のリンク先をたどりました。
学校名 久米島町立清水小学校
所在地 〒901-3125  沖縄県島尻郡久米島町字鳥島198番地
URL http://www.cosmos.ne.jp/~s_simizu/
電話 TEL 098-985-2286 / FAX 098-985-4406
学年 3,4,5,6年
テーマ
ふるさと学習
カテゴリー 地域、食、環境、伝統行事

 離島の海に囲まれているという立地条件を生かした学習素材や体験活動が網羅されていましたので注目しました。清水小では漁業や加工施設、船舶、海岸環境、伝統文化など広範囲にわたって学年相応の取り組みが計画されていました。日常の中で当たり前に行われていることに目を向け、学びを見いだしていく参考例になると思い、以下に抜き出しました。

平成14年度の計画
3年
漁師の話を聞く、浜で遊ぶ、ウミガメ館見学、ムラサキガイを捕って食べる
4年
砂浜で造形学習、海浜清掃、海岸マップづくり、漁船乗船体験、せり市見学、もずく・アーサ・かまぼこ加工、海洋深層水等についてグループ調査
5年
つり体験学習、ハーリー体験、エークづくり
6年
イカダ作り、イカダでリーフに出て魚釣り、海岸環境問題について調べる、海洋深層水研究所の見学、久米島の将来を考える

 地域の学習素材を取り入れようとする時、掘り起こしができるかどうかがかぎになってきます。地域の中に入り込んでしまうと、地域の特徴をとらえる力が衰えてきます。先生方が転勤したてのころは、外から見た学校の特徴がよく見えていますが、何年か経過するとほとんどのことが当たり前、普通のことになってしまいます。学校に慣れた状況のもとでは、パンフレットに取り上げられる程度の特徴しか思いつかないようになりそうです。
 そこで、最初から素材探しをするつもりで絞り込まず、地域で何ができるか、地域に何があるかという情報集めをしていくほうが、学習素材の発掘には役立つでしょう。以前にも書きましたが、地方史を紐解くことによって、すたれてしまったことも分かり、新たな素材探しになります。


 北海道から沖縄まで都道府県単位で、これはと思う学校のWEBページだけの閲覧でより抜きながら実践例を紹介してきました。ふりかえってみますと、限られた情報の中から言葉足らずも手伝って、私の憶測が入り交じった紹介や私見を書き連ねてしまったのではないかといった心配もあります。しかし、多くの学校で特色を出しながら、自信にあふれた実践の数々を発表されていることに敬服した次第です。
 「開かれた学校」がささやかれだして以来、多くの学校がWEB上で情報公開をされるようになりました。外部からの意見や批判にさらされる機会も多くなりました。旧来の学校内部に凝り固まった独善的な意識を徐々に変えていかねばなりません。しかし、悠長なことは言っておれない勢いで学校評価や人事考課制度が進められていますから、急激な変化に対応できない先生は、何もかも置き去りにされていきそうな状況です。総合的な学習の取り組みに対する評価も、学校の中だけでよかれと思ってやっていることが、外からの目にさらされると正の方向での評価だけを安易に下せなくなってきています。学校の外部からつつかれたくないという先生気質を見直していく時期にさしかかっていると痛感しました。

 当サイトも不特定多数の方が閲覧されますから、賛同の意見をいただくこともあれば、一貫性のない文言や一方的な記述をご指摘いただいたこともあります。多様な意見を真摯に受け止めてよりよい考え方を磨いていきたいと思っています。