実践事例を見る(47)
 「総合的な学習らんど」のWEB上に紹介している学校のリンク先をたどりました。
学校名 別府市立東山小中学校
所在地 〒874-0803 大分県別府市大字別府4380番地の1
URL http://bep-higasiyama-j.oit.ed.jp
電話 TEL0977-27-5010 FAX0977-27-5011
学年 3,4,5,6年,中1〜3
テーマ
探求活動、地域作り
カテゴリー 小:農業、平和  中:自然、産業、食農、伝統文化、職場体験

 幼、小、中の一貫教育をめざしている公立の学園です。校長が一人の配置で、完全に併設されている学校は、全国見渡しても数少ないと思われます。実際、WEB上で検索しても、公立では香川、沖縄が見つかったぐらいです。小中一貫教育では、小中の連携が明確に表れてきますから、総合的な学習でそのよさが端的に表れるのではないかと期待できます。しかし、東山小中学校がどのように連続的に取り組んでいるかは公開されていませんでした。小中の連携を伺わせる学年ごとのテーマと中学校の地域の産業に関する部分の見学や体験がいくつか紹介されていました。

 少子高齢化が進む過疎地域の極小規模の学校では、ふるさとに対するよさを見いだし、子どもたちに誇りと自信を持たせていくことが、地域や学校の課題となりやすいと思います。自然環境に恵まれているだけに、よさに気づいていくには、地域をじっくり探求していくという活動は欠かせないことだと実感します。その点、中学校の取り組みは納得のいくものでした。
 その際、問題点を見いだすというより、よさをいかに見いだすかがかぎとなります。知識や情報集めを土台にして、自分たちがくらす足下を見つめていくのです。くらしを営んでいる住人は。自信と誇りを持っていますから、学び取ることも多くなると思います。地域の特性として、自然に恵まれ、地域の連携が充実し、穏やかなくらしをしている中で問題点をあえて取り上げても、行きつくところは子どもを増やし、住人を増やすことになってしまいます。
 以前にも書いたことですが、過疎地域の極小規模校の条件整備として、情報の過疎化だけは避けなければなりません。文化から取り残されるとよりよい生き方を考えていく源が得られないと思うのです。

 幼、小、中の一貫教育のもとでは、総合的な学習だけでなく、教科の学習も含めて長いスパンで子どもたちの学びや育ちを見届けていくことができます。逆に長いスパンになることによって、人的な条件を整えるには困難が待ち受けています。長いスパンを見届けるために先生の異動が滞ったり、新鮮な刺激が滞ったりする心配があるということです。
 目先の改革として、一貫教育や6,3,3制の検討が話題になっていますが、諸説紛々です。本来は、意識改革のために総合的な学習の時間が登場したり、制度いじりが続いていることを忘れないようにしたいと思います。