実践事例を見る(43)
 「総合的な学習らんど」のWEB上に紹介している学校のリンク先をたどりました。
学校名 新宮町立相島小学校
所在地 福岡県糟屋郡新宮町大字相島296-1
URL http://www.edu.fit.ac.jp/~ainosie/
電話 TEL 092-963-0225 FAX 092-963-3958
学年 5,6年
テーマ
ビーチ・コーミング活動
カテゴリー 環境

 ビーチ・コーミング=漂着物調査。テレビ番組でたまに見る機会はありましたが、総合的な学習の時間で取り上げられているのは初めて見ました。平成8年度から、ゆとりの時間を使って、継続的に取り組んでいることが紹介されていました。
 漂着物を収集し、調査することによって得られる情報は多方面にわたっています。単にゴミ=環境問題にとどまらず、隣国の漂流物、椰子の実、漁具など広がりのある課題解決学習が展開されているところが素晴らしいと思いました。また、漂着物学会福岡大会での発表の場を得ており、地道な子どもたちの活動に大きな自信と喜びを与えているのではないかと思いました。
 広がりのある課題がきちんと仕組まれている証拠として、子どもたちは他地域の同じ活動をしているところと交流してみたいという新たな問題意識によく表れています。学校の近くに海岸があるという条件を満たす学校は全体からすれば多くないでしょうが、グローバルな考えで、環境問題をとらえるには好都合だと思います。

 離島の小学校では、少子高齢化や漁業の問題が生活に密着したところで目につきやすいでしょう。しかし、島での暮らしという観点に立って学びの素材を見いだそうとすると、ビーチ・コーミングは絶好の対象になります。船を操ったり、昔からある漁の方法を体験したりする取り組みを行っている小学校もあります。ところが、なかなか広がりを見いだせないまま、「ふるさとを愛する」ことにもがいている現実があるのではないかと思います。そんなときにふと思い出すのが、水を巡る環境問題です。「台所は海の入り口です」という環境問題に取り組んでいる方の一言が今も鮮明に記憶されています。