実践事例を見る(42)
 「総合的な学習らんど」のWEB上に紹介している学校のリンク先をたどりました。
学校名 吾川村立大崎小学校
所在地 〒781-1501 高知県吾川郡吾川村大崎158
URL http://www.kochinet.ed.jp/osaki-e/index.html
電話 TEL・FAX 0889-35-0432
学年 5年
テーマ
バリアフリーを考えよう
カテゴリー 人権、福祉

 全26時間の実践が子どもたちの言葉でていねいにまとめられています。そして、体験や交流したことが学びとなって表現されています。特に、相手の立場に立つという基本的な考え方が子どもたちに浸透している点は素晴らしいことです。体験とともに障害を持つ方々と交流することで学んだことがより現実的に受け止められたものと思います。
 疑似体験だけで終わると相手の立場に立って受け止めることは困難を極めます。健常な人から見れば不自由なことでも、障害を持った人から見ればごく当たり前のことになっていることは多くあります。バリアフリーであることがいいことだという願いはだれしも考えつくことです。しかし、自分一人の力で克服できない問題はどうすればいいのかという壁に行き当たることで課題は見えてくるでしょう。
 この実践を見ていて、もう一つの優れた点に出会うことができました。それは、学習課程の中に仕組まれた「広げる」の時間です。机上の思いつきをまとめるようなことにしないために、障害を持った方々とテレビ会議システムで意見交流したり、自分たちにできることを考えたりする取り組みは大変優れています。
 先生方が最も苦労するのは、交流相手とコンタクトをとることだと思います。その一歩が踏み切れるかどうかは、先生自身が障害を持つ方に学びたいという思いがあるかどうかだと考えます。

 実践を支える基本的な考えをきちんと理解していないとこのような実践は生まれてこないと私は考えています。それだけに、この大崎小5年の取り組みは大いに参考になると思います。